2009年11月22日日曜日

2009年11月21日号


InterBee 2009

JEITAが毎年一回開催する日本最大規模の放送・ビデオ関連技術の展示会、InterBee 2009に行ってきた。
大手メーカー各社、3D対応やらファイルベース収録やらといろいろやっていたが、今回久々に行ってみて、改めて自分の興味の対象がデジタル一眼動画の方向にシフトしていることを実感する。



Inter BEEでエプソンが236万ドットのEVF用液晶パネルを参考出品~デジタルカメラに映画用レンズを取り付ける提案もデジカメWatch


個人的に今回の最注目ポイントは
ナックが展示していたCarl Zeiss Compact PrimeEOS 5D markⅠIに装着するアダプター。
現状、PLマウント汎用でなく、レンズに改造を施す形だが、全長・フィルター径とも統一された単焦点シネレンズが使えるようになった意義は大きい。今まで、本編の現場の人たちはいろいろと工夫していたのかもしれないが、5Dなどに付けるEFレンズほかスチル用のレンズは、基本的に焦点距離によってレンズの全長・フィルター径が違うため、マットボックスやフォローフォーカス、フィルターなどを使うスタイルで撮影している映画屋さんには使い勝手が悪かったのだろう。
元々、Compact Primeはスチル用のMFレンズの光学設計を使って、イメージサークルはフルサイズのまま全長とフィルター径を統一し、PLマウントで新設計された廉価なシネレンズシリーズだ。本来はRED向けの単焦点レンズなのだろうが、ここに来て大手の機材屋が5D向けに改造モデルを出してきたということは、この1年のうちに5Dは映画の現場にかなり広がっているということだ。参考出品として、Panasonic DMC-GH1にPLマウントレンズを付けたものも紹介され、また別の会社からも、EOS 7DにPLマウントレンズを装着するアダプターが発表されており、デジタル一眼動画は著しい成長を見せ始めている分野と言える。

で、肝心のメーカーであるCanonは新製品EOS 1D markⅤIの実機を展示。
ちょっといじってみた限りでは、AFに関してはまだまだというところ。顔認識はちゃんと動作していたが、AFの反応は鈍いように感じた。改良の余地がある。
これは邪推だが、EOSムービーのCanon内部での立ち位置は、結構微妙なところではないだろうか。マーケットとして非常に競合してる分野で、一番あおりを受けてるのはXL H1などを出してきたCanonの業務用デジタルビデオカメラ部門だろう。あくまでスチルカメラという領域を出ないと言うEOSも、InterBeeに他の民生ビデオカメラ同じように展示されていれば、注目度は偏ってくる。ここまで成長してしまうと、ついでに付けた機能では済まなくなっていると思うが、その辺の折り合いはつくのだろうか。

この他は、はっきり言ってあまり注目していなかったので、トピックを適当に羅列する。

・AutodeskがSmoke 2010のMac版を出すらしい。
システム製品としては初のMacintoshプラットフォーム対応。個人で導入する価格ではないが、Macベースの編集スタジオには朗報ではないだろうか。

RED EPICは今回実機なし。
この秋にはお目見えするであろうと言われていたが、いつもの通り遅れて、12月18日のREDユーザーイベントで何らかの発表が見込まれている。

・SonyはこのタイミングでAVCHDフォーマットの業務機、NXCAMを発表。
デジタル一眼動画に関して、技術的には恐らく相当なアドバンテージがあるはずのSonyは、かなり二の足を踏んでいると思う。不況で製作費はどんどんカットされ、同社のCM・映画撮影用ハイエンドカメラシリーズ = CineAltaのフラグシップ、F35F23が売れてない状況で、その価格の安さでCM・映画撮影の現場からハイエンドHDカメラを駆逐しているデジタル一眼動画に、まさか本気になるわけにもいかないだろう。といって、今更ファイルベースメモリーカメラを出すのは、はっきり言って遅すぎると思うが。かなり前からP2HD統一で全面展開しているPanasonicに対して、ソニーはとにかく規格がバラバラで互換性がないという印象が強い。別にカメラの作り自体には悪くないのだが…、Sony好きとしては悩ましいところ。

全体として、業界の空元気というか、不況を感じさせる今回のInterBeeであった。


YouTube HD 1080p 対応

もはやYouTube画質とは呼べない。あらゆるビデオ配信サイトを凌駕する高画質と、スムーズな再生能力。これは、素晴らしい進化だ。ついつい新しくエンコードしてしまったよ。

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