2012年3月10日土曜日

EOS 5D Mark III


EOS 5D Mark III & EF24-70mm F2.8 L II

Canonから EOS 5D Mark III が発表された。のが先週の金曜のこと。

3/9,10に東京・品川のキヤノンSタワーで開催された、
EOS 5D Mark III SPECIAL EXPERIENCE 特別体験会
まだβ機であったものの、その感触を直に確かめてきた。

正直なところ、このキャメラはEOS 5D Mark IIの改良型というより、EOS 7DとEOS-1D Xが合わさって出来たキャメラと考えた方がしっくり来る感じだ。操作体系は7Dのそれをほぼ踏襲し、1D Xばりの高感度特性を備え、5D MarkIIで指摘されていた動画方面の弱点はほとんど潰してきている。

注目すべき基軸は
・新型35mmフルサイズ 2230万画素CMOSセンサー
・H.264、Intraフレームのみの圧縮モード「ALL-I」搭載
・DIGIC5+プロセッサ
上記を始めとした様々な改良による高感度域の圧倒的低ノイズ性能

ISO6400まで常用できISO12800まで実用範囲に入る、この恐るべきノイズリダクションは動画にも確実に反映され、従来のMarkIIとは最早比べ物にならない。全く別次元の描写と言っていい。C300とほとんど同等と言って差し支えないと思う。
問題視されてきたモアレや偽色もかなり低減されていて、CMOSのローリングシャッター現象に関しても7Dよりちょっと小さいぐらいには改善されている。
H.264「ALL-I」モードでの収録はやはりかなり容量を食う上にカードのスピードも要求するようだ。会場で特別セミナーを聴いたところではビットレートがかなりバラけるようなので、これも実際に使ってみないと何とも言えない。

他に嬉しい改良点は…
・ヘッドフォン端子(重要!)と音声レベルメーター
・記録時間表示が可能になり、もちろんTC記録にも対応
・CF・SDカードのデュアルスロット、Eye-Fi対応
・サブ電子ダイヤルが静音動作に対応したこと
・大型化した液晶画面!

さらに7Dを使っていて個人的に気になっていた点の一つ、EFズームレンズの自動絞り機構がライブビュー撮影時のズーム操作中に設定値にかかわらず微動する問題もチェックしてみた。記録されたファイルを大画面で再生して見ないと最終的に判断できないが、液晶で見る限りは概ね解消されている感じはした。

ただ、残念ながら少々改悪された部分もある。
ライブビューの拡大フォーカスが左手側の拡大縮小ボタンでしかできなくなっていた。
これはマニュアルフォーカス操作をする上で左手が行ったりきたりすることになり、大変に使い勝手が悪い。これは会場で触った他の方も結構指摘されていたようで、要望が多ければ今後のファームアップで対応検討するとの回答を得た。もう右手の親指はほとんど拡大フォーカスかRECで慣れてしまっているし、なるべく対応して欲しい。

会場では、新型レンズEF 24-70mm F2.8 L IIが付いた5D IIIが二台用意されていて、どちらもほぼ国内初披露? とあって長蛇の列。ほぼ1時間待ちでようやく触れたが、とても良いレンズだった。ズーム操作はシュッと気持ちよく動き、フォーカスもガサガサしたりツルツル滑る安っぽさは皆無。まぁ20万オーバーのフラグシップ標準ズームなので当たり前といえば当たり前だが…

キットレンズEF 24-105mm F4 ISはいい加減に後継が出てもいいんじゃないか…このボディの塗装との質感の差はいかんともしがたい。

EOS C300の時も書いたが、5D Mark IIIもまたEOS MOVIEの画質面や使い勝手などに対して出された「プロからの要求」を丁寧に吸い上げて穴を全部埋めた、実に手堅いスペックのキャメラという印象が強い。

気になる価格は、発売前予約最安でボディのみ32万円台前半…
高いという人が多いようだが、私はそこまで高くないと思う。
先月にNikonがD800を発表した印象も手伝って、地味な改良に対して割高に見えてしまったのか。
あるいは今回、Mark IIで歴史に残る名機となった5Dが3年半ぶりのアップグレードということで異常に期待値が高い人が多かったのか(私もその一人だったし)
しかしいずれにせよ、写真機としても動画機としても着実な進化を遂げたEOS 5D Mark IIIは、はっきり言って死角なし。EOSを動画メインで使ってる人は買い換え必須。静止画メインで使う人は…7Dや60Dからのアップグレードであればオススメである。




3月末発売予定だが、私自身は購入資金も足りないので当分の間は価格変動とにらめっこの予定。