2010年1月19日火曜日

2010年1月19日号

土曜から変則で続く
今週の話題、其の弐。

ソニーがAVCHDのハイエンドハンディカムを出してきた。




HDR-AX2000

位置づけとしては、先発のNXCAM業務機・HXR-NX5Jの民生版で、
プロ向けの機能はある程度スポイルされているが、従来より差はかなり埋まっており、ほぼ一緒と考えていい。HD‐SDIがなくてもHDMIがあれば困らないだろうし、720pは大抵の人は意識して使い分けないだろうし、リニアPCMか圧縮音声コーデックかって、HDVの時も騒がれたけど結局誰も困ったって話は聞かないし。

AVCHDのビットレートは24Mbpsとなり、解像度はようやくフルHDとなった。
フレームレートは、メモリー記録の恩恵で1080 60i/24p/30pで収録が可能。ピクチャープロファイル&シネマトーンガンマ&シネマトーンカラーと、いわゆる自主・学生・低バジェットの映画製作ターゲットの機能も充実し、フルマニュアル操作をアピール。
レンズはFX1000を引継ぎ、35mm判換算で29.5mmから立ち上がる光学20倍ズーム。これでほぼ実用範囲はコンバーターなしでもカバーできると思われる。HDで撮影する場合、ワイコンなどはせっかくの解像度を著しく落としてしまうので、画質を犠牲にしてでも画角が欲しい時以外は使わないのが鉄則。アクティブレンズ方式手ブレ補正で、ハンディカムの手持ち表現は、巷間さらに増大するだろう。良し悪しあるだろうけど、個人的には救い難く下手くそな画が増えていくような気がする。

しかしテープメカがなくなったってのに、この重さはなんなんだ…。グリップ部分は前に来たように見えるから、バランスは少し良くなってるのかもしれんが。最近のソニービデオカメラのつくりは、いまいち気にくわないんだよな。HDR-FX1で完成した即応レバーズームを捨てて反応悪い「ぐるぐるズーム」に戻るし…。カール・ツァイスに戻せばいいのに…。
HDVはHDR-FX1000を残し第一線から脱落。ついにソニーのハイエンドハンディカムにiLINK端子がなくなった。MacからFireWire400が消えたように。これも時代の流れだね…。テープ記録はもう古いのか。メモリー記録の弱点である記録ごとにデータを移行→バックアップというコストも、これからその値段が下落していけば、メモリーカードがかつてのテープのように「使い捨て」られるようになるだろう。もうその下地は完成しつつある。ソニーはSD帝国の軍門に下り、メモステ/SDHCカードのデュアルスロットを搭載。東芝もBlu-rayを作り始めたし、時代の趨勢に逆らっては生き残っていけないんだなぁとしみじみ思う。



写真は筆者の所有するHDR-FX1。もう5年前の機種だが、負け惜しみじゃなく、このカメラは紛れもなく名機だと思うのだ。


しかし個人的に一番画期的なのは、民生機として初めてXLR端子&マイクホルダーを搭載した点。従来、外観上も運用上もこれが業務機と民生機の特徴的な相違点だったが、そのためにいわゆるガンマイクを使いたいハイアマは、XLR→ステレオミニ変換を使ったり、ファンタム電源ですっきりと運用できるはずのガンマイクを、バッテリー駆動のものにしなければならないなど制約が多かった。これだけのために業務機を買ったアマチュアは流石に少なかったとは思われるが、このような無駄な区分を省いた点は評価できる。

なんかいろいろ書いたけど、これ、AVCHDのハンディカムとしては到達点じゃないかな…。元々過渡期の規格だろうし、これ以上やるとなればその前に新規格が出てくるはずだ。多分。


SCE、PS3用地デジレコーダキット「torne」-9,980円。PSP転送も可能。250GB PS3セットも発売

ソニーがやってくれた。チューナーは地デジのみだが、USBバスパワーで動作しPS3に接続した市販の外付けHDDにも直接録画できる。MPEG-2TS録画データはPS3に紐付きだが、PSPにメモステに書き出し転送して視聴可能。ほか制約は多いものの、この内容で+1万の投資なら喜んで買うという人は多いだろう。テレビ録画しても見たら消す、ホントに欲しい映画はBlu-ray買う、という層は意外に厚い気がするのだ。特にPS3買ってる層はわざわざ録画機まで買う購買欲はないと思う。250GB PS3とのセットで展開するのも好感度高い。まぁPS3&Blu-rayレコーダー持ってる自分は買わないが。

2010年1月16日土曜日

2010年1月16日号

週刊とは名ばかりの隔週更新になってきたが。
今週の話題、其ノ壱。



日曜に日帰りで松本城に行ってきた。仕事で。半分趣味で。
実は年末年始休暇中に行くつもりだったのだが、定休だったので行けなかった。

朝9時新宿発・特急あずさのグリーン車で揺られること3時間。正午の長野県松本市は、想像していたより穏やかな陽気だった。日差しもあって、然程寒くはなかった。が、しかし夕方にかけてさすが信州というべき強烈な底冷えを味わうことに。市内ではちょうど「あめ市」という祭がやっていた。デジタル一眼動画の撮影対象としては格好だったが、今回はとにかく城を撮りに来たので、ほぼ無視。仕事が優先。


今回は松本城と背景に空抜けのタイムラプス動画。前回は「初日の出」想定で羽田空港近くの鳥居を撮りに行った。
(写真は羽田・弁天橋の鳥居)


基本動くのは背景の雲のみ(雲が少しでもあってよかった)。周囲を飛びまくるハト共は後処理で消すことにして。撮り始めると30分ぐらいは動けないので、通行人の邪魔にならない場所で構図を決める。年末に買ったジッツォの三脚をA&Aのバッグと共に初使用。この軽さにはかなり助けられた。5秒おきのシャッターをリモートで仕掛け、本番700枚近く撮影。テスト及び観光写真含め1000枚ぐらい撮ったか。冬の長野の屋外で、晴れた午後とはいえとにかく動けないので、足が冷え切ってしまった。


さらにその後、天守閣に登ったのだが。城内は靴を脱いでスリッパを履くはずが、何を考えたか履かずに靴下のままで入ってしまい、キンキンに冷えた床板で足の感覚が半分麻痺状態に陥る。しかも天守閣なので階段は手すりが無いと不安なほど急角度。出る頃にはもう足首から先が棒のようになってたし。かなり危なかった。


松本城は(時間的には新幹線使うと大差ないだろうが)地理的には東京から一番近い国宝城郭で、しかも5層天守としては国内最古のもの。作りは安土桃山時代後期から江戸時代初期の実戦的な天守城塞建築と、その後に増設された平和な月見の楼閣などが入り交じっており、独特の趣がある。平城らしくその見事な佇まいがほぼ全角度から見渡せ、しかも背景は北アルプス。景観としては文句なく素晴らしい。非常に撮りがいのある城。さらに駅から歩いて15分程度と絶好のアクセスを誇る。ちょうど成人式帰りらしい地元の新成人の晴れ着姿がチラホラと見られ、記念写真など撮っていたのが印象的だった。

ほぼ予定通り撮影を終え、駅で信州そばを食べて18時半発のスーパーあずさで帰路につく。行きと同じくグリーン車だったのだが…、座席のリクライニングが何もしてないのにどんどん下がっていくという…ちょっと微妙な席だった。


で、これは松本城それ自体には全く関係の無いことなんだが。お土産に駅で買った某菓子。



どう見てもです。ありがとうございました。
ってこれ職場で開けて気づいたぞ、おい!
まったくいやなネタを提供してくれるなぁ。クレーム電話→即日返送封筒入りお詫び交換品発送→翌朝着だったからよかったけど。品質管理ぐらいちゃんとしろよな…。


今回、以前初期不良だと書いたEF70-200mm F4 ISレンズを持っていったのだが。


年明けに職場の先輩に聞いたところ、どうも自分が気になっていた音はISの動作音らしく、仕様ということが分かった。恥ずかしながらここに訂正させてもらう。音は静かな室内で撮ってると気になるが、屋外では大して気にならないレベル。動作中は確かに望遠レンズ手持ちが嘘みたいにファインダー像が安定する。ただ、静止画撮影時はともかく、動画撮影時(ライブビュー時)は常に動作音がするため、同録の場合はISを切るのが絶対条件だと感じた。それ以前に動画時は三脚前提なんだからISは切るのが当たり前ではあるが。

先週、キヤノンはLレンズ新製品として、9年ぶりのリニューアルとなるEF70-200mm F2.8L IS IIを発表したけど、このIS動作音は改善されてたりするんだろうか…。

2010年1月1日金曜日

2010年1月1日号



明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成二十二年 元旦