2010年1月16日土曜日

2010年1月16日号

週刊とは名ばかりの隔週更新になってきたが。
今週の話題、其ノ壱。



日曜に日帰りで松本城に行ってきた。仕事で。半分趣味で。
実は年末年始休暇中に行くつもりだったのだが、定休だったので行けなかった。

朝9時新宿発・特急あずさのグリーン車で揺られること3時間。正午の長野県松本市は、想像していたより穏やかな陽気だった。日差しもあって、然程寒くはなかった。が、しかし夕方にかけてさすが信州というべき強烈な底冷えを味わうことに。市内ではちょうど「あめ市」という祭がやっていた。デジタル一眼動画の撮影対象としては格好だったが、今回はとにかく城を撮りに来たので、ほぼ無視。仕事が優先。


今回は松本城と背景に空抜けのタイムラプス動画。前回は「初日の出」想定で羽田空港近くの鳥居を撮りに行った。
(写真は羽田・弁天橋の鳥居)


基本動くのは背景の雲のみ(雲が少しでもあってよかった)。周囲を飛びまくるハト共は後処理で消すことにして。撮り始めると30分ぐらいは動けないので、通行人の邪魔にならない場所で構図を決める。年末に買ったジッツォの三脚をA&Aのバッグと共に初使用。この軽さにはかなり助けられた。5秒おきのシャッターをリモートで仕掛け、本番700枚近く撮影。テスト及び観光写真含め1000枚ぐらい撮ったか。冬の長野の屋外で、晴れた午後とはいえとにかく動けないので、足が冷え切ってしまった。


さらにその後、天守閣に登ったのだが。城内は靴を脱いでスリッパを履くはずが、何を考えたか履かずに靴下のままで入ってしまい、キンキンに冷えた床板で足の感覚が半分麻痺状態に陥る。しかも天守閣なので階段は手すりが無いと不安なほど急角度。出る頃にはもう足首から先が棒のようになってたし。かなり危なかった。


松本城は(時間的には新幹線使うと大差ないだろうが)地理的には東京から一番近い国宝城郭で、しかも5層天守としては国内最古のもの。作りは安土桃山時代後期から江戸時代初期の実戦的な天守城塞建築と、その後に増設された平和な月見の楼閣などが入り交じっており、独特の趣がある。平城らしくその見事な佇まいがほぼ全角度から見渡せ、しかも背景は北アルプス。景観としては文句なく素晴らしい。非常に撮りがいのある城。さらに駅から歩いて15分程度と絶好のアクセスを誇る。ちょうど成人式帰りらしい地元の新成人の晴れ着姿がチラホラと見られ、記念写真など撮っていたのが印象的だった。

ほぼ予定通り撮影を終え、駅で信州そばを食べて18時半発のスーパーあずさで帰路につく。行きと同じくグリーン車だったのだが…、座席のリクライニングが何もしてないのにどんどん下がっていくという…ちょっと微妙な席だった。


で、これは松本城それ自体には全く関係の無いことなんだが。お土産に駅で買った某菓子。



どう見ても黴です。ありがとうございました。
ってこれ職場で開けて気づいたぞ、おい!
まったくいやなネタを提供してくれるなぁ。クレーム電話→即日返送封筒入りお詫び交換品発送→翌朝着だったからよかったけど。品質管理ぐらいちゃんとしろよな…。


今回、以前初期不良だと書いたEF70-200mm F4 ISレンズを持っていったのだが。


年明けに職場の先輩に聞いたところ、どうも自分が気になっていた音はISの動作音らしく、仕様ということが分かった。恥ずかしながらここに訂正させてもらう。音は静かな室内で撮ってると気になるが、屋外では大して気にならないレベル。動作中は確かに望遠レンズ手持ちが嘘みたいにファインダー像が安定する。ただ、静止画撮影時はともかく、動画撮影時(ライブビュー時)は常に動作音がするため、同録の場合はISを切るのが絶対条件だと感じた。それ以前に動画時は三脚前提なんだからISは切るのが当たり前ではあるが。

先週、キヤノンはLレンズ新製品として、9年ぶりのリニューアルとなるEF70-200mm F2.8L IS IIを発表したけど、このIS動作音は改善されてたりするんだろうか…。

2010年1月1日金曜日

2010年1月1日号



明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成二十二年 元旦

2009年12月31日木曜日

2009年12月31日号




年も終わりが近づいてきた。 
今年見た今年の映画及びアニメ、漫画などまとめてみようかと思う。 


実写映画は、職業的に大量に観るため、
個人ではあまり見ていない状態が例年続いている。

その中で、今年一番の秀作は『グラン・トリノ』 
出色だったのは『アバター』 


『グラン・トリノ』は、 個人的に00年代ベスト1の映画。
 2009年はこれを超える作品は無かった、と言って過言ではない。
近年、ハリウッドの良作・佳作は多いがここまでとんでもない大傑作となると、数は限られる。00年代は『ミスティック・リバー』や『ミリオンダラー・ベイビー』、硫黄島二部作など、とにかくクリント・イーストウッド監督の時代と言っていいほど、数々の傑作がつくられたが、その中でも特にオススメしたい映画。紛う事なき名作で、『許されざる者』と並ぶ最高傑作の一つ。 これを観ずに今年の映画を語るべきではない。真剣に。本当に、この作品について多くを語る言葉を自分が持ち合わせていないということが実に歯がゆい。
まさに圧巻の出来で、現代アメリカ映画として最も優れていると言っていい。監督・主演のイーストウッドの、円熟のさらに上を行く高度な演出、そして堂々たる演技。生と死、戦争、人種差別、世代間の対立と融和、理解と不理解、それら全てをテーマとして内包しながら、重苦しくないという途方もない完成度。 


しかも結構笑える。


鑑賞後は、実に不思議なくらい清々しい気持ちになる映画だった。 
クリント・イーストウッドは御年79歳。来年2月には『インビクタス/負けざる者たち』が控えている。ここまで精力的な映画監督は、他にいないんじゃないだろうか。



『アバター』は 予想外に面白かった。
本当にいい意味で裏切られた感じ。ジェームズ・キャメロンの職人的な、と言うよりほとんど偏執狂じみたコダワリが画面から滲み出してくる。3Dで。ハリウッド最高レベルのVFXと、キャメロンの編集の巧みさが組み合わさって、161分という長尺にも関わらず、映画をとても見やすく入り込みやすいものにしている。ストーリーは、ネイティブ・アメリカンと開拓者の戦いを思わせる、異星人ナヴィ族と開拓団・海兵隊の戦争を軸に、その間で葛藤する主人公という構図。秀逸だと思ったのは〈アバター〉を使いナヴィ族に入り込む元海兵隊の主人公が、下半身不随の傷痍軍人だという設定。これによって主人公の動機が非常にはっきりとわかりやすくなっている。足に不自由がない「偽りの自分」と、足に不自由がある「本当の自分」の間で揺れ動くアイデンティティ。ちょっと『攻殻機動隊』を思い出したが。そういえば、人間がマスクをしなければ入れない森(星)は「腐海」で、その自然と共生するナヴィの村は「風の谷」、侵略してくる海兵隊は「トルメキア軍」か。となると、主人公は「青き衣の人」か。青い肌だけど。とにかく『アバター』は『風の谷のナウシカ』原作版に非常に良く似ているところがある。
メインの見どころは海兵隊戦闘ヘリ軍団と飛行獣に乗ったナヴィ族の空中戦だが、個人的には〈リプリー〉ことシガニー・ウィーバーの登場と〈エイリアン〉なチェイスシーンがポイント高い。面白かったし、劇場で見て良かったと思える作品。



今年見た今年の劇場アニメの中では、 
一番の秀作は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 
出色だったのは『サマーウォーズ』
佳作は『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』 


『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は 、計5回観に行った。
とにかく、万人にオススメできる映画になったという点が「破」の素晴らしいところだ。〈エヴァ〉は今まで、面白いと思っていても、どこか引け目のようなものすら感じていて、万人にオススメ〈したい〉と思う作品ではなかったし、オタク同士で語り合うという枠組みを出ていなかった、と個人的には思っている。それはTVシリーズも旧劇場版も「新劇場版:序」ですらもそうだった。が、「破」は万人にオススメ〈したい〉作品だと胸をはって言える映画だ。


『サマーウォーズ』は〈良くできたアニメ〉を地で行く手堅い印象。細田守監督作品は外さないなぁと改めて思う。個人的に『時をかける少女』の傑出ぶりには今一歩及んでいない感じはする。しかしエンターテイメントに溢れ、現代的な主題にレガシーな家族という解をぶつける心意気が評価できる。何よりヒロインと家長のお祖母ちゃんが良い。メインスタッフの地力が出ている素晴らしい作品。


『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』は非常にチャレンジャーな映画。TVシリーズ4クール50話のアニメを使って二時間の劇場版をつくる、という無謀な企画を離れ業の再構成で作り上げている。キャラクターはかなり弄っているし、ストーリーの流れが急激で分かりづらい部分もあり、新規作画で安定していないカットも散見され、画質がばらけていたり、全体として好き嫌いの分かれる作品だとは思うが、こういう挑戦は評価したい。




今年見た今年のTVアニメの中では、 
一番の秀作は『化物語』 
出色だったのは『君に届け』
佳作は『けいおん!』 
番外は『涼宮ハルヒの憂鬱』
ほか、いろいろレコーダで録ってはいるが見ていない作品がかなり多い…


『化物語』は 、斬新で、画がとにかく綺麗な作品。話の作り自体は…キャラもいいし、言葉遊びは面白いが、然程といった印象。新作アニメがほぼHDで作られるようになって、美術はそのディテールがどんどん追求されるようになり、ほとんど劇場版かと思えるような美麗なカットがTVアニメで多々見られる訳だが、この作品では敢えてディテールを切り捨て、練りこまれたパターンが延々と続くような背景、まるで舞台美術のような、書割っぽい美術が特徴的。1話を見た時、ちょっと『少女革命ウテナ』を思い出した。虚構を否応なしに意識させる〈ボールド〉テロップカットと通常の作画カットでリズムを刻む編集手法は、見ていて心地よい。


『君に届け』は 、ストーリーラインは実に他愛のない話だが、キャラクターの心情描写をひたすら掘り下げている点が評価出来る。原作も、惹かれ合っている筈の二人の意識の差が、すれ違いや亀裂を生んでいくという非常に少女漫画らしい少女漫画で、ぐいぐい引き込まれる魅力がある作品だ。今期では一番ハマっているかも。

『けいおん!』は、今年の春季スタートアニメの中では大ブレイクし、このほど第2期製作発表されたが、まあどうってことの無いアニメで、普通の出来。日常的な描写に力が入っているのは良かったが、ドラマとしての盛り上げ方が足りない感じがした。佳作だとは思うが、これがそこまで人気になる理由がわからないと言うか……。


番外(にせざるを得ない)のが『涼宮ハルヒの憂鬱』。エンドレスエイトは確かに2009年のアニメに起こった一大事件だった。いつ終わるのかしれないループをリアルタイムで味わっていた一視聴者としては、一話分に編集し直したくなったが、まぁ、自分は脱出回のハルヒの表情が良かったので、概ね許してしまえる気分になったのだが。


2009年は劇場アニメが豊作の年で、TVアニメはあまりパッとしない感じだった。



今年読んだ今年の漫画の中では、 
一番の秀作は、こうの史代『この世界の片隅に』 
前年に引き続き期待のかかる、新井英樹『キーチVS』 
以下、今後に期待を込めて
椎名軽穂『君に届け』、桜井のりお『みつどもえ』、片岡人生/近藤一馬『デッドマン・ワンダーランド』、花沢健吾『アイアムアヒーロー』、篠房六郎『百舌谷さん逆上する』、植芝理一『謎の彼女X』、山田秀樹『魔乳秘剣帖』を挙げておこう。



それでは皆様 どうぞよいお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願い申し上げます。