2014年9月20日土曜日

EOS 7D Mark II

昨夕、品川のキヤノンプラザSで先行展示されていたEOS 7D Mark IIを見てきた。
初代7D発売から丸5年、カメラ関係で大きいイベントが開催される度に出るぞ出るぞと噂され続け、ついに満を持してPhotokina2014で発表された7D Mark II。
待ち焦がれた時間はムダではなかったとひと目で分かる、まさにキヤノンAPS-C機の集大成ともいえるスペックを備え、ボディ¥20万という価格を引っ提げて登場したIMAGE MONSTERの正当な後継機。これは初代7Dユーザーとして早速触ってみなければと、閉館30分前に駆け込んで10分足らずだが触ってきたので、その感想を列挙してみる。
(念の為おことわり……ここで触れた7D Mark IIはまだ発売前の試作段階なので、これからファームウェアや機能などは変更される可能性があります)

パッと見た時の形状は先代7Dとほとんど変わらず、重量に至っては全く同じだ。ここ数年のキヤノンデジタル一眼レフのデザインの潮流に先鞭をつけた7Dの超流体フォルムを継承した上で、ボタン配置を5D Mark IIIに寄せてバランスを取っている。
持ってみた第一印象では、随分と「柔らかくなった」感じだった。先代7Dはそのずんぐりむっくりな形から想像するよりも手に触れる色々な所が尖っていて、顕著なのは例えば握りこんだ時に親指が当たるサムレストの盛り上がり部分だが、ここは7D Mark IIではかなり緩やかになっている。このサムレストの盛りはその加減によって一長一短あって、5D系のようになだらかだとホールド時は良いが片手で保持する時に滑りやすい。先代7Dだと逆に盛り(彫り)が深すぎてちょっと長時間握りこむと痺れてくる感じだったので、7D Mark IIの5DIII系と7Dの間を取ったちょっとだけ深いサムレストは好感が持てる。貼り革全体のシボ加工も先代のトゲトゲしさを緩め、かつ握りやすさを損なわない表面仕上げになっていて安心した。重量は全く同じなのに、重量配分が先代よりもバランスがとれホールドしやすくなっているように感じるのは、内装配置の見直しでぎっしりとメカが詰まった密度感が分散したことに加え、この「手触りの良さ」も貢献しているのだろう。
 
左肩の電源スイッチレバーはほぼ変更なし。誤動作防止のロックボタン付モード切替ダイヤルは、今までは有償対応でハードウェア・アップデートが施されていた部分だ。下部は多少なで肩になり、先代から受け継いだ誇らしげなEOS 7Dの銘板と、下にMarkIIの文字が彫り込まれている。
また後ろのMENUとINFOボタンは5DIIIと同じ配置に移され、ビューア画面横のスイッチは縦4つのままアサインされる機能が変更された。プレビューモードのINFO表示は煩雑なページ切替からスクロールに変わり、膨大な情報もスッキリとまとまって表示されるようになった。

反対の右肩で特徴的なのは、マルチコントローラの周囲に埋め込まれた勾玉のようなトグルスイッチ。これはMark IIで更に増えたAFエリアを選択するスイッチとして新設されたものだ。先代7Dでは同じエリア選択の制御にシャッターボタン手前のM-Fnボタンを使っていたが、シャッターから指を離さずAFエリアをパパっと切り替えられるようになったのは嬉しいユーザーも多いのではないか。
クイック設定ボタンは左肩からこのトグルスイッチの左下に移動、さらにその右下の静電容量式タッチ操作に対応したメインダイヤルとSETボタンは、ここも先代と比べ遥かに操作感が「柔らかく」なっている。7Dのダイヤル類は本当にガチガチとした操作感で、しっかりしているのは良いがゴリゴリガリガリと回るクリック音が固めで、しつこく回してると段々指が痛くなるほどだったのだが、それもかなり柔らかく優しいタッチに変わった。
7Dが標準化したライブビュー切替レバー&START/STOPボタン(この意匠が気に入ってTwitterのアイコンにずっと使っている)も、レバーが大きくなり引き続き親指ですぐRECをトリガーできる位置にあるのは嬉しい限り。また右端の3つボタンのうち、ライブビュー時の拡大・縮小を兼ねていた右2つのボタンはAFエリア切替スイッチとなった(アサインは変更可能か?)が、この点については後述する。

新たに搭載となったGPS機能、その受信アンテナがストロボ部分に埋め込まれたスクエアの「こぶ」。標準搭載されたロガー機能で撮影地ルート情報を記録でき、電子コンパスも搭載されたので撮った方位方角までログデータを残しておけるようになった。
さらにタイムラプス撮影用のインターバルタイマーや、長秒露光用のバルブタイマーも内蔵された。これはとても嬉しい改良点。なんせ7Dを買った当初は一眼レフ初心者で、間欠撮影がわざわざ外部接続のタイマーリモコンを使わねばできないということに愕然としたので……。一応、これらはHDR機能との併用も可能のようだ。ここまで出来るならカメラ内でタイムラプス動画作成までやってほしいところだが、あまり多くは望むまい。
これら一見地味な機能拡張は、昨今のデジタル一眼レフやミラーレス一眼の多機能化を考えてみればさっさと搭載して当たり前かもしれないが、これをいかに使いやすく実装するかがカメラメーカーにとっての勝負どころだ。

で、その勝負の肝といえる10コマ連写機能を試してみたのだが、これがもう凄いとしか言い様がない。シャッター機構が改良されてミラーショックが体感できるほど減り、連続開閉音はパシャカシャシャシャシャという感じできわめて軽やか。
先代7Dはバシャガシャシャシャシャという感じ。分かるだろうか、最初に濁点が入る音で荒々しく開閉する。これもまぁ嫌いではないのだが、10コマ/秒という爆速にも関わらず小気味良い音を立てまだまだ余裕という感じでドライブするMark IIと比べてしまうと、先代はどうにもやかましく息切れするようだ。
しかもその間、Mark IIは縦横に振り回して動体を追っても、ファインダー内の合焦点は完璧に追随してくる。これはもう、人間の眼と手足の延長線上にある「新たな身体の一部」とすら錯覚しそうになる。「運動する被写体」を追い記録する機械として、まず操作する人間の運動と一体化するコンセプト。優れたカメラだ。

動画機能の最大解像度/フレーム数は1920×1080/60pでIPB記録(1280×720/60pではALL-I記録)。1080p,720p共に、29.97p,24p,23.98pではALL-I/IPB記録に対応している。これは5DIIIと同様だ。なぜ上位機への下克上を図ってでも4K動画を積まなかったのかと言われる向きもあるだろうが、写真を撮るのが第一のデジタル一眼レフとして、これから5年間を第一線で戦う機体に、いま漸く大手各社スタートラインに立った4K動画、早々に陳腐化してしまうであろうそんな最新機能を性急に積むよりも、あえて1080/60pで周辺の処理能力に余裕を持たせて実装することは保守的ではあるがベターな選択と思う。単純に4Kをコンパクトに載せる技術がなかったとか、製品間のヒエラルキーを優先したとかいうことではないだろう。これで先代7Dでずっと苦しめられた熱暴走問題が改善されていれば全く文句はない。
そして、このAFの完成度と言ったら! 殊にライブビューのデュアルピクセルCMOS AFは先代7Dユーザーから見ればもはや夢の世界だ。目を見張るような応答の良さ、狙った位置にピタリとピントが来る安心感。さらに素晴らしいのは、この合焦の遷移速度まで調節できる動画サーボAFの高い機能性だ。
この速度調節はレンズを選ぶようだが、実はこれのおかげで、先ほど書いたライブビュー時の5x,10x拡大・縮小ボタンが右側から左側に移った「操作性の改悪」がほぼ帳消しになっている。7D Mark IIでは、動画サーボAFというかコンティニュイアスAFをONにしている状態だと、そもそも拡大・縮小ボタン自体がロックされ機能しないのだ。咄嗟に「マニュアルで拡大・縮小しつつピント合わせしたい」という時は、レンズの方でAF/MFスイッチをカチっと切り替えればOK。同時に拡大・縮小ボタンも機能するようになる。
何の事はない、動画撮影(ライブビュー)時のコントラストAFがそこそこ信頼の置ける速度・精度を得て、マニュアルでの拡大・縮小が必要な局面自体を減らし、かつ切替操作をワンアクションで済ませられるようしたのだ。これはうまく考えたなぁと感嘆。
(本当にササっと触った限りで掴んだ操作性なので、もしかしたら誤解があるかもだが……)

展示されていた7D Mark II 2台のうち、試したのはEF24-70mm F4L IS USMキット。これはズーミングもスムーズで、簡易マクロ、フォーカス諸々含め、7D Mark IIに合わせるには良いLレンズだと思う。ただMENUを探って見たところ、どうも動画サーボAFの合焦速度調節には対応していないっぽい。これはUSMレンズだからか……デュアルピクセルCMOS AF自体はちゃんと機能していたのだが。もしかしたら速度調節はSTMレンズしか対応してないのかも。

またついでに、同時発表されたEF24-105mm F3.5-5.6 IS STMとEF-S24mm F2.8 STMも見てきた。
EF24-105mm F3.5-5.6 IS STMは、やはり同じ焦点距離のF4Lレンズと較べてしまうが、大分つくりが上品になったというかしっかりした感じがある。全体的に細身で軽く、ズームがしっとりとしてスムーズ、ロックボタンも付いてるが自重落下もしなさそうだ。軽量フルサイズの6Dとの組み合わせはベストマッチで、7Dではしっかり脇を締めないと難しい縦構図もすごく構えやすい。F4通しとLレンズにこだわらないユーザーには半額みたいなものだし、売れるだろうなこのレンズ。
EF-S24mm F2.8 IS STMは、APS-C専用のEF-Sライン初の単焦点パンケーキレンズ。ボディキャップのように薄く存在を感じさせないつくりで、割と使いやすい換算38mmという焦点距離、手頃な価格も相まってよく売れそうだ。が、展示されていたKiss X7iとの組み合わせでは、ライブビュー時に合焦で迷うのかえらくうるさいモーター音がする。静かなのがステッピングモーターの売りなのに……。これはレンズのつくりがコンパクトで薄いために目立つだけなのか、Kiss X7iボディのコントラストAFの性能問題なのかはっきりしなかったが、奥の方でEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMの付いた70Dを確認したところ非常に静かだったので、レンズのSTMというよりデュアルピクセルCMOS AFを搭載しているかどうかの差なのだろう。

さて、まとめると自分はもうEOS 7D Mark IIを買うしかないってことに……いろいろ検討したが、レンズもバッテリーもカードも周辺機器もバッグもシステムはひと通り揃ってて、中枢の7DをMark IIに入れ替えるだけですぐ稼働できる。操作性は5年かけて慣熟したものだし、今一番「動ける」カメラなのだよなぁ……できればEF24-70mm F4L ISとのキットが良いが、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMのキットもなかなか……こうやって悩んでる時間は楽しくって仕方がない。
(結局、ショールームで全7種のカタログもらってきてしまった。買う買う言ってるだけの金欠もいい加減にしないと……)

2014年1月15日水曜日

FDR-AX100は名機となるか



CES 2014でSONYから新たなハンディカムが発表された。
FDR-AX100

4K(正確にはFHD=1920×1080の4倍の解像度、UHD=3840×2160)で撮影できる“ハンディカム”だ。
SONYらしい新フォーマット民生機というか…狙いすましてこういうエポックな機材を作れるのはトップメーカーの強みだと思う。
一応、昨年出たFDR-AX1とその業務機版PXW-Z100という機種があるのだが、使ってる人いるのか?というほど広まっていない感じがする。最近の機材事情にはちょっと疎いが、大判CMOS搭載デジタル一眼レフムービーの熱狂的なブームが各社からデジタルシネマキャメラとして出揃ったことで一段落つき、一昨年あたりからBlackmagic Cinema Camera、さらに昨年はPocket Cinema CameraがRAW撮影&DaVinci Resolveでカラーグレーディング価格破壊の大波を起こし、目下業界席巻中……そして今年のトレンドは、遂に4K時代突入か……?というところで出てきた、このハンディカム。

なんと、市場予想価格は22万円前後だという。4Kとは言え、DSLRやBCCと同じ価格帯に立たなければ勝負にならないと見たか、このFDR-AX100はかなり気合の入ったつくりと感じる。
さっそく仕様を見ていくと……

・1.0型/総画素数2,090万画素(有効1,420万画素) 裏面照射型 "Exmor R" CMOSセンサー
・XAVCS 4K/3840×2160 (30p/24p) 60Mbps 収録対応(映像処理エンジン「BIONZ X」)
・ZEISS Vario-Sonnar T* f=29.0-348.0mm(F値2.8~4.5) 光学12倍ズームレンズ
・レンズは7枚羽根 虹彩絞り、NDフィルタ2枚内蔵、マニュアルズーム・フォーカス選択リング搭載
・デジタル160倍、全画素超解像ズーム機能24倍(HD)/18倍(4K)に対応
・メモリースティック・SDHC/SDXCカード(Class10推奨)で収録(64GBで4K 約130分収録)
・バッテリーはインフォリチウムVタイプ (NP-FV70使用時、連続撮影時間・約2時間15分)
・0.39型/144万ドット 有機ELファインダー&3.5型/92.1万ドット エクストラファイン液晶
・光学式手ブレ補正機能(アクティブレンズ方式、アクティブモード搭載)
・HD記録時は120pのハイフレームレート撮影可能
・5.1chサラウンドサウンドマイクロホン(マイボイスキャンセリング搭載)
・マルチインターフェースシュー端子搭載
・本体質量790g(NP-FV70使用の場合で撮影時 約915g)
フードが標準付属なのも好感。フィルター径は62mm

FDR-AX100、こいつは久々に名機の予感がするぞ! イイじゃないか。
オープン価格(ソニーストア価格219,800円)で3月14日発売予定!


SONY公式サンプル


兄貴分のFDR-AX1と比較して、いくつかの点でスペック下克上が起こっているのは見逃せない。
まず、1.0型 "Exmor R" CMOSセンサーは、FDR-AX1の1/2.3型より大きい。
センサーが大きいということはそれだけ一つの画素に対して当たる光量が多くなり暗所に強く高画質……になるはず。実はこのサイズ、BPCCのセンサー(12.48mm×7.02mm Super16サイズ)よりもちょっと大きい。既存のデジカメで一番近いのはNikon1系のCXフォーマット。同じくSONYのデジカメCyber-shot DSC-RX100IIの1.0型(13.2×8.8mm)"Exmor R"CMOSセンサーに準じた性能のものが奢られているのだろう。
また、FDR-AX1に比べ体積で約1/4、質量で約1/3に小型化したというが、これは……ものは言いようというか、そもそもFDR-AX1は幅189mmx高さ193mmx奥行362mm、本体質量だけで約2440gあり、ハンディカムというにはちょっと肥大化しすぎているので……その点、FDR-AX100のハンディカムらしいコンパクトにまとまった佇まいは、とても好感が持てる。また最近の民生ハンディカムと違って「小さすぎず軽すぎない」のも魅力だ。ビデオキャメラはあまり軽すぎてもマズいといつも思う。
このサイズ感はDSR-PD100、DSR-PDX10、HVR-A1J、HXR-NX70Jなどに連なる系譜

そして、FDR-AX1がSONY純正Gレンズに対して、FDR-AX100はZeissズームレンズ。
mini DVの昔からハンディカムにはZeissのVario-Sonnar、というのが刷り込まれてるので、実際の性能差は別として妙に安心感があるのは事実。普及型4K(UHD)という「高解像度かつコンパクト」が厳しく要求されるビデオキャメラの「主眼」たる光学系をZeissに任せたのは、長年の信頼関係の証か。
手ブレ補正が空間光学手ブレ補正でなくアクティブレンズ方式になったのは、4K収録にセンサー大型化も相まって映像処理エンジンの演算が手ブレ補正まで追いつかないという事情もある気がする。
虹彩絞り、NDフィルター、選択式ズーム/フォーカスリングなどは民生コンパクト機だからこそ地味に嬉しいマニュアル操作系、素晴らしい。ズームマイクもようやく新型になった。
オプションの新型ガンズームマイク「ECM-GZ1M」

ただ、FDR-AX100でネックになるのは、やはり4K/30p 60Mbps XAVC Sというフォーマットの限界。XAVC Sの色空間はYUV 4:2:0 8bitと記憶しているので、カラーグレーディングに対する耐性はやはり弱いと言わざるをえない。この点は、FDR-AX1の業務機種PXW-Z100がXQDメモリーカードで実現したDCI 4K(4096×2160) 60p 4:2:2 10bit 600Mbpsという数値には全く及ばない。
しかしPXW-Z100は希望小売価格672,000円と、FDR-AX100のざっと3倍以上の価格なので、これぐらいの性能差はむしろ当たり前。FDR-AX100は民生機として4K(UHD)を普及するために生まれた機種であり、メインターゲットは「ホームビデオ」だろうから、4Kネイティブでカラーグレーディングまで不自由なくできるPC環境、それこそ新型のMacProなどを使って本格的な4K映画撮影に用いるようなユーザー層を狙っているわけではない。Blackmagic Pocket Cinema CameraならProRes422HQ/220Mbps、しかもCinemaDNG RAWまで撮れてカラーグレーディング耐性は抜群だし、約10万円で遥かに安い。という向きもあるだろうが、そうではなく今までのフルHDを編集できる程度の環境で、少しばかり編集して完成データを残し時々家族で鑑賞する…
つまり、「ホームビデオ」のユーザーにまず次世代の高解像度「4K」を認知させガッチリ囲い込むのがFDR-AX100の主目的と言えるだろう。

ちょっと心配なのは、FDR-AX1に対する業務機種PXW-Z100のように、FDR-AX100にも業務機版が出るのではないか、という点。しかしこれはメモリースティック・SDカードを記録メディアとして使う以上、4Kをさらに高いビットレートで書き込むのはいろいろ無理が出ると思う。たとえ書き込めたとしても、カード容量に対し録画時間があまりにも短いというのは、やはりハンディカムとして求められる条件に合致しないだろう。RAWで64GBで記録時間20分ですと言われても、仕事で何枚も使えるユーザーは構わないだろうが家庭用としてはちょっと……。したがってFDR-AX100に業務機版が出たとしても、FDR-AX1/PXW-Z100ほどの記録部分の性能差は出ないと思われる。もしそれを差をつけるならAX1/Z100同様、記録メディアにXQDを採用するしかないだろう。

そういえば、民生初のHDフォーマット「HDV」の初代機HDR-FX1が出たのはもう10年前になるか……専門学生の時無理してローンを組んで買ったのだが、EOS 7Dを使い始めてからは持ち出す回数が激減したため、昨夏ついに売却してしまった

FDR-AX100は、4K(UHD)フォーマット初代機としてHDR-FX1を超える「名機」となって欲しいと願ってやまない。

2014年1月1日水曜日

新年


明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成二十六年 元旦

2013年12月31日火曜日

年末年始


年も終わりが近づいてきた。
今年観た映画及びアニメなどまとめてみようかと思う。

まずは、映画新作ベスト

1.『パシフィック・リム』
もはや説明不要の今年のベスト1。夏の時点でコレで決まりだった。
正しくIMAX3Dのための映画、とてつもない重量感!鉄人と怪獣の肉弾激突!以上!(小並感)。
導入から「お決まりの」「言わずと知れた」説明をどんどんかっ飛ばして、必要な部分だけをがっちり魅せて、怒涛のスピードで「未体験」の映像ゾーンに観客を巻き込んだら、後はもう緩急自在にドリフトする特撮娯楽活劇大洪水。監督の脳随が目から飛び込んで来る。一番好きなのは怪獣解体シーンだったりするが。

2.『ジャンゴ 繋がれざる者』
黒人奴隷のジャンゴは賞金稼ぎシュルツの仕事を手伝いながら、生き別れた妻を探す。ついに妻を買った農園主を見つけ出し、奴隷商人に化けて交渉するが、偽装がバレてシュルツが農園主と相討ち、ジャンゴは戦い抜いて農園を壊滅させ、妻を取り戻す。
王道のストーリー、ケレン味たっぷりド派手なアクション、165分あっても全く飽きないつくりが見事にシネスコの画面に映える。威風堂々としたOPにシビれる。主人公ジャンゴもいいが、相棒シュルツがとてもいいキャラクター。面白かった。

3.『リンカーン』
リンカーンが合衆国憲法修正第13条を打ち立てるため、権謀術数どんな汚い手段も駆使して阻害要因を潰していく、というお話。家族に対するリンカーンのグダグダな父親っぷりと、議論の場で己の信ずる正義を弁舌一本で貫くブレない政治家っぷりとの対比が面白い。誰もが知っている歴史の一部分、その中にあった本当の「ドラマ」を掘り起こすしっかりした映画。
国是を明文化する憲法を改正するには、かくも大変な議論が必要なのだという意味で、日本であまりにも安直な憲法改正が叫ばれていたタイミングでこの映画が公開されたのは良かったのでは、と思ったり。

4.『あれから』
非常に良かった。抑制された誠実な言葉、脆く繊細だがピンと芯の通った感情で綴られる物語。「あれ」にさらされた〈東京〉の人間の、ひとつの真心が込もった秀逸な作品。始まりを示す「から」で物語を静かに終えるところが◎。全編を通して、穏やかな優しい眼差しを感じる。エンディングもよい曲。桜がとても綺麗に撮ってあるのに好感。
電車のカットでデジタル一眼動画撮影(CMOS)で出るローリングシャッター効果が、意味付けされて使われていたことに感服した。これを明確な表現として使った映画は初めてではないか。音響も相まって、電車がひどく尖った暴力的な装置として登場人物の心を蝕んでいるように見える。
また、主人公たちが涙を流すシーン。浅い被写界深度の中でフォーカスがブレるが、それが妙味になって、人間が泣く時の涙だけでない顔の全てを観客に注視させるのも巧い。

5.『はじまりのみち』
軍部の圧力で干されて映画監督を辞した木下惠介は浜松へ帰郷する。空襲を逃れるため病身の母をリヤカーに乗せ疎開先へ向かう中、彼は映画への情熱を思い出し、母の激励で映画界へ戻る決意をする。
決して贅沢な作りではない(別の意味で超豪華な抜粋はある)けど、笑って泣けて元気が出る作品。こういうド直球なのは大好きだ。実写初監督でも流石は原恵一。加瀬亮がまたすごくイイ。通り一遍な「記念」伝記物でなく、鋭くキレのある映画だった。木下惠介作品を観たくなる効果は抜群。

6.『百年の時計』
香川県の“ことでん”開業100年記念のご当地映画で、ほのぼの素朴な味わいだが、物語を支える基本構造が練られていて惹きこまれる娯楽映画。感情線に乗った時間と空間の飛ばし方、回想の混交が心地よく、積み重ねが丁寧でクライマックスにグッと来る。

7.『ゼロ・グラビティ』
大晦日、年越しで観に行く予定……。評判を聞く限り、これ以上の順位に入ることは確実なので。後でちょっと書き足す。

8.『オブリビオン』
宇宙人との戦争で荒廃した地球。タワー監視員のジャックは「夢」に出てくる妻と思わぬ形で再会する。自分が宇宙人による人類支配のため造られたクローン人間の1体と知った彼は、宇宙人の母船破壊を決行する。
とてもわかりやすいSF。ミッドポイントで主人公の世界観が逆転する。楽園追放&神殺しなモチーフだが、火の鳥の一編のような印象。運びがばか丁寧で逆にツッコミ所が露見してる気も。もっと煙に巻いた方がいいような……救いようがなくすっきりせず後味の悪いSFが好きな私は、偏った見方なのだろうが。
構造自体は娯楽として巧いけど、見えることと見えないこと、見えないことで見えてしまうこと、SFとしてそれらを「隠然と」支配してほしいというか。うまく言えないが。
でもとても大好きな映画で、いかにもSFの堅苦しいネタを薄味にせずほぐして料理した蟹缶のような映画。壮大なプロジェクターバックに、トム・クルーズの顔が二つも出て画面映えするし。宇宙知性体のキャラが希薄なのと、BOSEのCFかっていう過剰な音楽は受け入れ難い…

9.『オーガストウォーズ』
08年にグルジアとロシアの間で勃発した南オセチア戦争、別名8月戦争を題材にとった戦争映画。基本線は若い母親が、戦場にたった一人置き去りになった幼い息子を助けに行く、という単純な話。魅力はお母ちゃんが兵士たちにくっついて戦場を駆ける中で、めきめき強くなっていくところだ。ロシア軍の陸戦兵器を大挙出したいために申し訳程度のプロパガンダを乗せ、後はひたすらゴリゴリと現代市街地戦闘がこれでもかと描破されるガチな戦争映画なのだが、戦争状況下をリアル体験している人々の、なんか慣れてる実感がさりげなく描かれ、単調なアクションでないのが良い。

ほか、今年観た作品で特に印象に残ったのは……
『台風クラブ』『宇宙人ポール』『復讐捜査線』『THEM』『あやつり糸の世界』『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』『ルナ・パパ』『レマゲン鉄橋』『レッド・アフガン』『清作の妻』『カメレオンマン』『スローターハウス5』『カリフォルニア・ドールズ』『合衆国最後の日』『櫻の園』『We Can't Go Home Again』『キラーカーズ パリを食べた車』『遠い空の向こうに』
(以上観た順)


次に、アニメ映画ベスト

1.『風立ちぬ』
これを今年のベスト1にするかどうかはちょっと迷った。この映画をまだ捉えきれていない、自分の中で評価が固まっていない部分があるので。
初見時は否定的とまではいかないが、あまり評価していなかった。ポニョのような変な引き出しをぶちまけてしまった映画や、ハウルのような頭を抱えて唸ってしまう映画や、千と千尋のような見返すのを何かためらってしまう映画とも違う、スッキリしているが、この一体何を考えてつくってるのか分からないところが、何か気に食わなかったのだろうと思う。宮﨑駿監督の映画全てが、凝縮されているのは分かる。
物語の中で、全てのきっかけは風によって訪れ、全編通して常に違う種類の風が吹いている。そして一瞬、主人公の中に吹いていた風が止みかけて、ふっと一つの命が消え、また全く違う方向へ風が吹いていく。最後ははじまりに見た、地獄であり天国でもある草原へ消えていく。

2.『パラノーマン ブライス・ホローの謎』
幽霊と対話する能力を周囲から疎まれていた少年ノーマンは、大叔父から死者を甦らせる魔女の呪いを解く役目を負わされ、かつて魔女狩りで殺された少女の魂を救うことで、周囲の人々とも和解する。
評判通りの素晴らしい出来。人形の存在感がキャラを実体化する、命を吹き込む表現への畏敬と喜びに溢れ、そこに立ち上がる魅力的な世界観が喜怒哀楽と共振して物語の感動へ疾走する…もっと沢山の人に3D上映で観て欲しい作品。

3.『かぐや姫の物語』
見るのにとても力がいる、そんな映画だった。私はキャッチコピーの「姫の犯した罪と罰」に惹かれて観に行ったので、最初は裏切られた気分だった。あまりにも竹取物語に忠実であったためだ。もっとアレンジを加え捻ったものが見たかった。確かにアニメーションに関しては現在でも最高の出来でコレを超えるのはしばらく不可能だろうし、実際歴史に残る作品だと思う。だが、端的に竹取物語を異常に丁寧な絵巻として見せているだけではないかという感想が残る。それは上手く誘導されてそう思っているだけなのか判然とせず、とても優れた文化映画を見せられたような気分。というか、ここまでやっても感情移入できるか怪しいヒロインなのか、かぐや姫。
姫=日本人と置き換えると日本人論的にはしっくり来るが、それだけではこの「何か」、高畑勲監督の映画に通ずるラストにこみ上げてくる「何か」を説明できない。複雑な気持ちで、この位である。

4.『サカサマのパテマ』
面白い。宮﨑駿作品の、特にナウシカとラピュタの影響は如実に感じるが、それだけで留まらないSFとして考えられたモチーフに上手くボーイミーツガールと冒険が乗っかって、素敵な映画になっている。が、何かドライブ感が足りない、天地逆さま構造「だけ」の映画になってしまっているような……ガジェットや世界観は魅力的だが、どうもキービジュアルだけで出落ち感があるというか、冒頭からずっといつ構造をバラすのか期待していると、え、そこでバラすの?という感じで……引っ張りがない。どうせならもっと見せて欲しい。あのいかにもざっくりしたディストピアもどうかと思うし。

5.『映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!』
今年もまどマギ劇場版と同日に観た。戦闘少女ものとして10年に渡る蓄積であれほど完成されたフォーマットに則りながら、70分の中で濃厚な娯楽作品をつくってて感服した。場所が行ったり来たりするのにメイン客層の女児を全く置いてけぼりにしないつくりが◎。そしてシリーズ初、主人公がハッキリ流血するという「痛み」も、ちゃんと効いてて素晴らしかった。

6.『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』
今年のまどマギ劇場版は新作ということで期待して観に行っただけに、ちょっと評価を下げた。魔女関係のアートアニメがあまりにやり過ぎで食傷気味になる。
さやかの記憶が生み出している一見情緒的な論理とか、ちびっ子魔女の取ってつけた(実際はこれらのがキュウべえよりSF的な理屈が込められているのに)生かされてない感が、ほむらのこの上なく人間臭くて素敵な愛情=エゴのオーバーロードを食い気味になるのが、とても周りくどいなと。お陰でさやかの評価は上がったけど。
今回の見どころはさやか×杏子の再会。と、まどかへの献身で歪みまくった愛情が、TV版での他ならぬまどかの救済によって余計煮詰まって、遂に悪魔堕ちしてでも自身の満足という愛の形を時空を捻じ曲げて貫いて、正しくごうごうと燃えさかる愛を示したほむらの面目躍如、ぐらいで。
あれだけなら90分でつくるべきだし、ほむらも最終的にもう一個宇宙造っちゃうぐらいなら、もう人間ごときの倫理観に拘泥しないで欲しいなぁ……まど神様もTV版であそこまで覚悟して円環の理になったんだから、一部だけとはいえ人間に戻るような弱さを見せないで欲しかった。

今年のテレビアニメ・ベスト10

1.『惡の華』
2.『進撃の巨人』
3.『宇宙戦艦ヤマト2199』
4.『キルラキル KILL la KILL』
5.『たまゆら ~もあぐれっしぶ~』
6.『翠星のガルガンティア』
7.『ちはやふる2』
8.『のんのんびより』
9.『たまこまーけっと』
10.『恋愛ラボ』

各期いくつか選んでるが、次点として『<物語>シリーズ セカンドシーズン』『琴浦さん』『波打際のむろみさん』などが面白かった。まだ録ったままで見てないものも多いので、折を見て視聴していこう。
今年の前半は意識して毎日何かしら観るようにしていたものの、後半から艦これにハマりだしてどんどん視聴する作品数が減ってしまったので、一旦仕切り直し。来年からもっと見よう。


皆様 よいお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願い申し上げます。

2013年4月10日水曜日

Blackmagic Pocket Cinema Camera





NAB2013でBlackmagic Designから新たなデジタルシネマキャメラが発表された。

革新、再び。今度は小型化。Blackmagic Designは底知れない会社だな…

・12.48mm×7.02mm Super16サイズ CMOSセンサー(35mm判換算で約3倍)
・1920×1080 FullHD(23.98p/24p/25p/29.97p/30p)収録
・CinemaDNG RAW、Apple ProRes422 HQ 記録対応
・電子接点付きマイクロフォーサーズマウント互換
・最大13ストップのダイナミックレンジ(Film/Videoモード記録対応)
・SDHC/XCカード収録(ProRes422HQ時、64GBカードで約30分収録可)
・交換バッテリー!(Nikon EL-EN20互換、連続1時間駆動。充電1時間15分)
・3.5inch 解像度 800×480 液晶モニタ(iPad Retinaとほぼ同じ266.56PPI)
・microHDMI出力、オーディオ入力、ヘッドフォン出力、LANCリモート端子
・DaVinci Resolve Lite 同梱(フル版でないのは残念…でもLiteでも良いよね)
・幅:128mm 厚さ:38mm 高さ:66mm 重量:335g

価格はなんと$995!(¥101,800)で7月出荷開始予定!ホントかよ…
これはイイね、正に必要にして十分! 間違いなく買いだな!

このコンパクトデザイン!…動画撮るんだから録画ボタンありゃシャッターボタンなんか要らんわ!みたいな、バッテリーとカードしか入れないよグリップをはじめ、ほんと既成概念に囚われない自由さと、必要しかない潔さ!敢えてタッチパネルを切ったところも評価したい。あれは正直使い勝手以前に映り込みがちょっと…だったので。

かつては弱点だと思っていたスーパー16というセンサーサイズだが…2.5KのオリジナルBMCCよりも若干狭まり、レンズ焦点距離の35mm判換算値で約3倍となってむしろ計算しやすくなった。(例:Voigtlander NOKTON 17.5mm F0.95で52.5mm)これはこれでありだと思う。この換算値が嫌なら、恐らく年内に出るだろうMETABONES SPEED BOOSTER(EF-MFTマウント版)を使えばよい。

で、昨年「たぶん来年にはスーパー35mmサイズのセンサーを搭載してくるだろう。そうなったらもはや最強のコストパフォーマンスである」と書いていたが、実際その通りになった。しかも4K!

Blackmagic Production Camera 4K



・21.12mm x 11.88mm Super35サイズ CMOSセンサー(35mm判換算で約1.8倍)
・4K=3840 x 2160 UltraHD(23.98p/24p/25p/29.97p/30p/1080i)収録
・圧縮CinemaDNG RAW、Apple ProRes422 HQ 記録対応
・Canon EF、ZEマウント互換(電子接点付き絞り制御)
・最大12ストップのダイナミックレンジ(Film/Videoモード記録対応)
・リムーバブル2.5inch 256GB SSDで記録
・Thunderbolt端子でMacに直結!(キャプチャー、波形モニタ表示)
・5inch タッチスクリーン 800×480 液晶モニタ(シェード付)
・6G HD-SDI出力、オーディオ入力、ヘッドフォン出力、LANCリモート端子他
・DaVinci Resolve、Blackmagic UltraScope 同梱

価格は$3,995!(¥406,800)で7月出荷開始予定!ホントかよ…
あーららーなんつー値段をつけるんだ…REDもSONYもCanonもPanaも一気に吹き飛ばしそうな…大丈夫か?
もう4KといったらREDじゃなくてBMDなのかもなー。そうでなくともAPS-Cに近いスーパー35のセンサー搭載ということで、EFレンズユーザーにとっては待望のモデルだろう。グローバルシャッターの採用でローリングシャッター現象が出ないのも得点が高い。気になるのは所謂ハイスピード、HFR記録ができないことと、センサーの関係かダイナミックレンジが1ストップ分下がっていることだが、これもやはり過渡期の4Kキャメラということなのだろう。来年には決定版が出るはずだ。

昨年10月、仕事先の御方のご好意でBMCCデモ機を触らせてもらい、テスト撮影したのだが…あの液晶画面で見た通りの結果がMacに表示された時の感動は得も言われないものがあった。こりゃ凄いのが出てきたぞ、とEOS MOVIEの時以上に強く感じた。だが同時にコレもっとNEXぐらい軽くならないかなーと、当然4Kにも対応してと思ったのも事実。
それらの願いは今年ほぼ叶ってしまったわけだが、多分来年はPocket Cinema Cameraサイズで4K、だな!
(流石に無理だろうと思うが…BMDならやりかねない)


Blackmagic Cinema Cameraの場合、実際問題キャメラとしてはとても使いづらいものの、一回でもその画を観てカラコレやってみれば使いたくなること間違いなしなのだ。何せ一番下のモデルですら1080p/220Mbps/4:2:2のデータがそのまま収録できる。スペックはほぼHDCAM SRと変わらないのだ。このコストパフォーマンスは無敵といっていい。Blackmagic Designの春の大攻勢、やはりこの流れはどこも止められそうにない。


でも、やはりBlackmagicはホントに発売日を守らない会社だったな…BMCCは自社初のキャメラ生産で歩留まりが悪かったのか、結局安定供給されるまで本来の予定から半年以上かかっていた。今回の2機種も、7月出荷開始といって年内に入れば御の字だろうが、実に楽しみなキャメラなのでちゃんと納期を守って出して欲しいところ。
このブログも放置しすぎてここ一年で機材ネタはBlackmagic Cinema Cameraしか書いてない…記事もほぼ使い回しだ、不精者だなぁ私も。

2013年1月1日火曜日

新年



明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成二十五年 元旦

2012年12月31日月曜日

年末年始



年も終わりが近づいてきた。
あまり時間がないが今年観た映画及びアニメなどまとめてみようかと思う。

まずは、映画新作ベスト8

1.『かぞくのくに』
あなたが嫌いだというその国で私たちは生きていかなければならない、という言葉が突き刺さる。やるせない怒りなどという通り一遍ではない、歴史を背負った重み。切実な感情を描く上手さが光る。礼をし、抱き合い、手をつかむ、クライマックスの離れがたい別れにはこみ上げてくるものがあった。ラストの聞こえるか聞こえないかの本当に微かな歌も◎。

2.『ライク・サムワン・イン・ラブ』
日本男性のどうしようもなさをどうしてここまでゴロッと抉り出すことが出来るのか、どんだけ洞察力が高いんだと脱帽してしまった。本当に唐突に終わるが、映画が語るべきことはそこではもう残ってないので、あれでスパっと終わるのが正解なのだろう。お見事。

3.『ニーチェの馬』
天地創造の7日間を遡行していくコンセプト、そこに余計な虚飾は一切必要ないとばかりに徹底した忍耐を求める覚悟を、最後に光が消えていくところまで一貫して押し通す画面の迫力、構図、重みが凄い。まさしく目が釘付けにされ、如何ともし難いモノクロの絶望感がのしかかってくる…

4.『J・エドガー』
これって人間は本当に何かを成すことや残すことが出来るのかについての映画なのではないか…「跡」というか。多分それは、愛と信頼、最後に本当に自分らしい告白でも出来れば人生御の字じゃないか、ということ。『ヒアアフター』でもそうだったけど、今作も「手を触れ合うこと」を徹底的に描いている。それは手自体がフレームの外にあるときも、見えないことが重要だったり。あとハンカチを始めとした「身にまとうもの」か。服装が人間を定め、戒め、同時に解放するものでもあるという。エドガーにスーツを着せる母とクライド、一見同じ行為でも込められた愛の形は全く異なる。彼らへのエドガーのリアクションがクライマックスを形作る。母が死に、母の服で母が戒めた女装をして泣き崩れるシーンは痛切な悲しみに満ちているし、クライドにハンカチをつっけんどんに渡してやるシーンは感動的。己が信ずる正義のためなら法を曲げることに微塵の躊躇もないエドガーは、使命感というよりもはや生理といえるほどの偏執的な仕事ぶりで、正しく「権力」そのものになってしまう。だからそれに屈しない人間にはとにかく手こずる。そんな中で育まれるエドガーとクライドとの愛はもう純粋そのものだ。必ず1日1度は食事を共にする誓いや、痴話喧嘩の末のキスシーンとか。半裸のままベッド脇で絶命したエドガーをクライドが毛布で包んでやるラストなどもう泣いてしまうかと。そしてヘレンがシュレッダーでエドガーの秘録を裁断するシーンは正に「葬儀」だ。記録こそは、彼自身が語る真偽定かでない自伝よりも、遥かに雄弁に記録魔としての彼そのものを表していた。だから彼の死と共に消滅せねばならなかった。

5.『旧支配者のキャロル』
人が人を潰すことなどできないという信条を持つみゆきは、映画学校のスパルタ講師の女優を主演に迎え、卒業制作に臨む。だが映画に全てを捧げる現場に心身を蝕まれた彼女は、最後に女優から会心の演技を引き出し、事切れる。フィルムを買うのに売春までする映画の奉仕者、それをデジタルでシレッと撮ってる制作側がむしろ一番残酷なのではないか…あらゆるツッコミどころに先回りして解答が用意されている感じ、たまらない。

6.『007 スカイフォール』
007を劇場で見るのはワールド・イズ・ノット・イナフ以来、12年ぶりぐらいだが結構面白かった。割と好きな方。ジェームズ・ボンドの死と再生の物語。今回のボンドガール“M”、安らかに。シリーズのネタが散りばめられた緩急のついたつくり。アクションと完璧にシンクロした音楽の一体感が凄い。あのテーマがかかる瞬間はもう…喝采。最後のバトルを地味めに振ったのも○。エピローグは本当にニヤニヤしてしまう。ただちょっとたるいか…2時間に収めてほしいかも。

7.『ダークナイト ライジング』
前作があまりにも突出していたためにハードルが高くなりすぎてしまった感はあるが、あくまでシリーズを完結させるという流れの中で娯楽作品として堅実に作ったなぁという印象が強い。私はビギンズもダークナイトも大好きなので全然アリなのだが、意外と否定的な人も多い気がするのは、やはり期待値が高すぎたからだろう。あと、劇場では気にならなかったが、思い返すとやっぱりちょっと長いなぁーと思ってしまった。

8.『へんげ』
怪物に変化していく男とその妻、というシンプルな物語を映画として駆動するあまりにも純粋な「夫婦愛」。その暴走に符合してどんどん画面内でエネルギーが高まっていき、規模が厚みを持って巨大化していくところが◎。クライマックスには観客がもう行き着くところまで行ってほしいと願う通り、理想的な極点が訪れる。よく出来た特撮映画。

ほか、今年観た作品で特に印象に残ったのは、
『日本列島』熊井啓監督
『混血児リカ』中平康監督
『色ごと師春団治』マキノ雅弘監督
『阿賀に生きる』佐藤真監督
『激動の昭和史 沖縄決戦』『ブルークリスマス』岡本喜八監督
『ゼイ・イート・ドッグス』ラッセ・スパング・オルセン監督
『バロン』テリー・ギリアム監督
『殺人課』デヴィッド・マメット監督
『ストーカー』アンドレイ・タルコフスキー監督
『セコンド』ジョン・フランケンハイマー監督
『ザ・プラマー 恐怖の訪問者』ピーター・ウィアー監督
(以上観た順)


次に、アニメ映画ベスト8

1.『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
とりあえず、エヴァ直撃世代(旧劇場版公開&全話一挙再放送当時中1)としては新劇場版は殆ど客観視できない。しかもQは徹頭徹尾シンジ君主観の構造になっているので、全くついていけない人達がいたって気にならない! だからこそ本当にエヴァが好きで良かったと思える、同時代人として至上の幸福感に満たされる。そんなわけで、今年のベスト1。
いろいろと超展開だったけど、ぜんぶ腑に落ちた。ああ、これがやりたかったのねーという納得感。笑い出しそうなほど置いてけぼりを食らう「エヴァ」という麻薬的娯楽にハマると、もう抜け出せない。見れば見るほど、設定の辻褄がパズルのように組み上がっていくのがたまらなく楽しい。またそれゆえに、コレを超えていくのだ!という、悔しい、やられたという気持ちだけでない、何するものぞという誠に清々しい気持ち、爽やかな感動を味わった。完結編が今こそ最も楽しみな作品、エヴァンゲリオンに最大の賛辞を贈りたい。
大歓喜!これが観たかったんだ!誰が何と言おうと、コレは自分の話だ!最高の共感!!!庵野秀明総監督、おめでとう!そして、ありがとう!

2.『ストライクウィッチーズ劇場版』
アニメ映画が豊作だった今年、なぜこれが2位かと言えば〈燃える展開〉だったから。堂々とした変態的画面作り、音響の豪華な迫力、全員集合の盛り上がり感、再び復活するヒロイン、そして戦いはつづく!と押さえるところはがっちり押さえた、その中で割と真面目に戦争映画をやろうとしているところ、ぶっ飛んでるが面白い。続編にも期待。

3.『おおかみこどもの雨と雪』
今年を代表する良作。アニメーションのクオリティは極まっていて、きっちりまとまっている。脚本も解決不能問題に踏み込みそうな所、うまく回避している。だが、それだけというか…。いつも細田守監督作品を見て思うのは、劇場で見て十分満足してしまうので、あまり見返す気が起こらないということ。その傾向は強まっている気がする。

4.『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』
前後編まとめて観たが、いい総集編だった。TV版の要素は総ざらいされており、謎を残さない親切設計は新編への布石としては正解。だが、1クールを4時間にしてるので割と冗長な所もあって、各編でクライマックスが微妙にガチっと起たない感じがもどかしい。杏子・さやかの関係は前後編を跨がず一本で見せて欲しかったなぁ。

5.『映画スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!』
プリキュア劇場版を観に行ったのはこれが初めて。休日の子供連れに混じって独身男性や女性組などもいる観客比。王道の中に女性らしい感性もあってなかなかいい出来。近年のプリキュア映画の中では大人しいぐらいか。まどマギと同日に観たが、女児を飽きさせない70分尺の中で無駄なくハイカロリーを味わうという点で、こちらの方が優れた映画かもしれないと思った。

6.『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』
全体的には良く出来た映画だと思う。本来は夏休みに公開すべき作品じゃないかと。エピローグのセリフはほとんど要らんと思うが、エンドロール後のテロップに比べたら大した問題では無い。作画はキャラクターが秀逸な画面設計に支えられて躍動するのが見事。終始一貫、求道的なほど動く芝居。ただ所々、やり過ぎで引いてしまうシーンが散見され、う~んと唸ってしまった。

7.『ももへの手紙』
過不足なく佳品といった感じ。地味な芝居、アニメーションの追求ぶりは鼻血が出るレベル。脚とか履物が特にスゴい。もちろん表情もシワもとてもいい。個人的に一番ツボだったのはももが畳で仰向けに寝っ転がたまま足の屈伸で進んでくところ。素直に感動するほど構図が上手い。大筋は『となりのトトロ』と比較されるよなぁ…と思ったり。アプローチは全然違うけども。

8.『伏 鉄砲娘の捕物帳』
期待して観に行ったのだけれど、あれっ?という感じで終わってしまったのが残念。詰め込み過ぎではないかなぁと。八犬伝自体をはじめから劇中劇構造としてONにした方が良かったのではないか。お江戸版ブレードランナーというには、キャラも背景も情感たっぷりなので、ヒロインの生きる術としての狩りと一期一会の獲物である伏への愛が、あまり切実に感じられなかった。


今年のテレビアニメ・ベスト10

1.『ガールズ&パンツァー』
武道系女子スポ根ものに「戦車」を当てはめ、戦闘を徹底的にこだわりぬいて描くことで一点突破の大成功を収めたといえる作品。延期になったが、3月の最終バトルに期待。
2.『坂道のアポロン』
ジャズ、即興、セッションというモチーフが見事に結実した作品。7話は特に象徴的。『ちはやふる』もそうだったが、この脚本コンビのテンポと密度は素晴らしい。
3.『夏雪ランデブー』
花屋の未亡人に惚れた若い男と死んだ旦那の幽霊、というぶっちゃけ地味な三角関係を非常に丹念に描いている。花と色彩、芝居と舞台を見事に駆動させた演出に拍手。
4.『モーレツ宇宙海賊』
最初はがっちり作りこまれていて入りづらいと思ってたがどんどん面白くなっていき、最後まで目が離せなくなっていた。隅々にわたってクオリティが高いのが魅力。
5.『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』
夏に1期目から再放送してたので見たのだが、まぁこれがメチャクチャに面白い。ひたすらぶっ壊れているようでいて、あまりにも整然とした冷徹な脚本に感嘆。一気見推奨。
6.『夏色キセキ』
融通のきかない奇跡に振り回される4人のヒロインたちの夏を通して、いつか終わってしまう青春の日々を爽やかに描いており好感が持てる。脚本構成の勉強になった。
7.『超訳百人一首 うた恋い。』
知っているけど知らない世界。歌に込められた想いと悲恋のドラマが、きらびやかでもあり無常でもある時代性を鋭く切り取っており、切なく涙を誘う。小粒だが印象に残る。
8.『神様はじめました』
どこか慎ましさすら感じる、古典にも見えるギャグが少女漫画にうまく機能するとこうなる、というアニメ化の見本のような作品。遊び心もたっぷりで見ていて楽しいつくり。
9.『スマイルプリキュア!』
これにハマったおかげで人生が再び狂ってしまった。プリキュア、最高。大人がこどもと全力で向き合ってつくる倫理観。逆境をはねのけ泥臭く頑張る少女たちに胸を打たれる。
10.『男子高校生の日常』
もう1話から掴まれっぱなしだった。ショートギャグとしての仕立て方も、省略とテンポで畳み掛ける力加減といい、職人的で堂に入っている。

各期二つずつほど選んでるが、次点として『夏目友人帳 肆』『アクエリオンEVOL』『謎の彼女X』『じょしらく』『中二病でも恋がしたい』『となりの怪物くん』などが面白かった。
『ちはやふる』は昨年秋のシリーズなので選外としたが、最後まで素晴らしいテンポを保っていた。年明けから始まる2も期待。考えると今年は割と豊作だったのかもしれない。まだ録ったまま見てないものも多いので、折を見て視聴していこう。

テレビアニメは基本的にレコーダの録画で見ることが多くなった。中でも今年からプリキュアにハマりだしたおかげで、400話以上ある全シリーズを再放送で追いかけることになり、ほとんど毎日見てる状態に…まだ四分の三ぐらいしか見てないが、来年春までにはたぶん全部見られるだろう。


皆様 よいお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願い申し上げます。

2012年4月17日火曜日

Blackmagic Cinema Camera



NAB2012でなんとBlackmagic Designからデジタルシネマキャメラが発表された。
その名もBlackmagic Cinema Camera 

全く、思わぬ伏兵だ…
Blackmagic Designはノンリニア編集キャプチャボード等の革命的な価格破壊で、ここ10年でズンズンのし上がってきた会社だが、まさかキャメラ界隈にまで殴り込みをかけてくるとは予想してなかった。しかもスペックがまた凄くツボを押さえてて…

・16.64 mm×14.04 mm(有効15.6 mm×8.8 mm)スーパー16サイズ センサー
・2.5K = 2432×1366(23.98p/24p/25p/29.97p/30p)収録
・CinemaDNG 12 bit RAW、Avid DNxHD、Apple ProRes記録対応
・Canon EF、ZEマウント互換
・最大13ストップのダイナミックレンジ(ProResでLOG記録対応)
・リムーバブル2.5inch 256GB SSDで記録(2.5K RAWは5MB/frame、約30分収録可)
・Thunderbolt端子でMacに直結!(キャプチャー、波形モニタ表示)
・5inch タッチスクリーン 800×480 液晶モニタ(シェード付)
・3G HD-SDI出力、オーディオ入力、LANCリモート、ヘッドフォン端子他
・DaVinci Resolve 9.0、Blackmagic UltraScope 同梱!

これが、$2,995!(¥257,800)で7月発売予定!
もう狂喜乱舞。正しく全部入り!こういうのが欲しかったんだ!


そしてこのデザイン!どことなくレトロな、新しいポラロイドみたいな「古い未来家電」っぽさ…デジタルビデオカメラの既成概念に囚われない自由さ、必要しかない潔さ!使いやすいかどうかまた別として、今ここに未来がある!という佇まい。斬新!

惜しむらくは、スーパー16mmというセンサーサイズだが……スペック上の不満は本当それだけだ。たぶん来年にはスーパー35mmサイズのセンサーを搭載してくるだろう。そうなったらもはや最強のコストパフォーマンスである。飛ぶ鳥どころか昇る龍まで撃ち落しそうなBlackmagic Designの大攻勢、この流れはどこも止められそうにない。



まぁ、キャメラメーカーとしては全く未知数なので、実際の画を観ないと何も言えないところだが…

John Brawley氏によるテストショット
Blackmagic Cinema Camera - John Brawley


REDほどではないがBlackmagicも結構発売日を守らない会社なので…7月発売といってもあまり当てにせず気長に待つしかないが、しかし実に楽しみなキャメラが出てきたものだと思う。ちゃんと出して欲しい。

EOS C500




Canonから満を持して4K RAWを「出力」できるEOS C500が発表された。

昨年発表のC300に続き、RED対抗機種として放つ第二弾といったところか。
キヤノンの思惑としては、半年前のC300発表段階でここまでラインナップしてしまう腹づもりだったのではないだろうか。予価$30,000前後とRED EPICに競合する価格帯。

スペックを見ると…
・約885万画素(4096 x 2160)のスーパー35mmサイズ 4K CMOSセンサー
・4096×2160、59.94P/29.97P/24P/23.98P Canon Logガンマ
・4K RAW (10bit)、2K・HDでRGB 4:4:4 (10bit/12bit)及びYCC 4:2:2(10bit)

主な撮影モード


ちょっとわかりづらいが…
RAWの収録は完全に外部レコーダーに丸投げし、本体のCFはプロキシとしてMXFを記録するという形。先日発表されたSONY FS700と似ているが、とにかく3G HD-SDIで直接信号を流して受け方は後で…という考えなのだろう。

NAB 2012でこの10bit 4K RAWを受ける外部レコーダー、AJA Ki Pro Quadが発表された。
BMD HyperdeckやATOMOS Ninjaあたりも4K対応型を出してくるのではないだろうか。

これまでのCINEMA EOSの圧縮方式を見ると、C300でMPEG-2 Long GOP 50Mbps CBR、EOS-1D CでMotion JPEGを採用してきている。結局、キヤノンは4K RAWをカメラ単体で収録出来るようなシステムが開発出来なかったのだろう。

今回のC500も熱設計に相当苦慮していると見られ、むしろRED Scarlet-XやEPICが防水をガン無視して放熱フィン全開なのも、あのサイズでカメラ単体で収録するためにはそれだけ熱を逃がす必要があるのだなぁと今更ながら妙に納得した。


さらにEFシネマレンズシステムは新ラインとなる普及型ズームレンズ、CN-E15.5-47mm T2.8 L、CN-E30-105mm T2.8 Lを発表。

キャメラとしては大変魅力的ではあるのだが、流石に個人で導入できる価格ではないので、とりあえず今後の展開に期待しておこう…

EOS-1D C




CanonからEOS-1D Cが発表された。
昨年、EOS C300のお披露目と同時に4K EOSとして開発発表されていたもの。
2012年10月発売予定で予価$15,000前後。

ほぼEOS-1D Xに4K収録、
4096×2160/24p/8bit Motion JPEGで記録する機能を搭載したキャメラ。
カラーサンプリング方式はYCC 4:2:2、画角はAPS-Hサイズにクロップされる。

注目すべき基軸は
・1810万画素 35mmフルサイズCMOSセンサー
・Canon Logガンマ(&ピクチャープロファイル)
・1920×1080p記録時のスーパー35mmクロップ機能
・ヘッドフォン端子装備

その他…あまり書くことがない。
ほぼ開発発表通りの内容で驚きはなく、やっぱりコーデックの問題かぁ…といった感じ。Motion JPEGはファイルサイズは非常に大きくなるが、処理にかかる負荷は比較的軽い。しかし4Kのファイルとなると果たしてどれだけ容量を食うのかが全く分からない。仕様も未定だ。

価格帯はRED Scarlet-Xに直接張り合う。キャメラ本体で4K収録できる形に収めたのもそのためだろう。一眼レフデザインにこだわったのも、REDの掲げるコンセプト“Digital Still & Motion Camera”への対抗意識、カメラ屋としての意地みたいなものを感じる。

ほぼ個人が趣味で購入できるギリギリの価格と思うが、10,000ドル以下だったらなぁという気持ちはある。

2012年3月10日土曜日

EOS 5D Mark III


EOS 5D Mark III & EF24-70mm F2.8 L II

Canonから EOS 5D Mark III が発表された。のが先週の金曜のこと。

3/9,10に東京・品川のキヤノンSタワーで開催された、
EOS 5D Mark III SPECIAL EXPERIENCE 特別体験会
まだβ機であったものの、その感触を直に確かめてきた。

正直なところ、このキャメラはEOS 5D Mark IIの改良型というより、EOS 7DとEOS-1D Xが合わさって出来たキャメラと考えた方がしっくり来る感じだ。操作体系は7Dのそれをほぼ踏襲し、1D Xばりの高感度特性を備え、5D MarkIIで指摘されていた動画方面の弱点はほとんど潰してきている。

注目すべき基軸は
・新型35mmフルサイズ 2230万画素CMOSセンサー
・H.264、Intraフレームのみの圧縮モード「ALL-I」搭載
・DIGIC5+プロセッサ
上記を始めとした様々な改良による高感度域の圧倒的低ノイズ性能。

ISO6400まで常用できISO12800まで実用範囲に入る、この恐るべきノイズリダクションは動画にも確実に反映され、従来のMarkIIとは最早比べ物にならない。全く別次元の描写と言っていい。C300とほとんど同等と言って差し支えないと思う。
問題視されてきたモアレや偽色もかなり低減されていて、CMOSのローリングシャッター現象に関しても7Dよりちょっと小さいぐらいには改善されている。
H.264「ALL-I」モードでの収録はやはりかなり容量を食う上にカードのスピードも要求するようだ。会場で特別セミナーを聴いたところではビットレートがかなりバラけるようなので、これも実際に使ってみないと何とも言えない。

他に嬉しい改良点は…
・ヘッドフォン端子(重要!)と音声レベルメーター
・記録時間表示が可能になり、もちろんTC記録にも対応
・CF・SDカードのデュアルスロット、Eye-Fi対応
・サブ電子ダイヤルが静音動作に対応したこと
・大型化した液晶画面!

さらに7Dを使っていて個人的に気になっていた点の一つ、EFズームレンズの自動絞り機構がライブビュー撮影時のズーム操作中に設定値にかかわらず微動する問題もチェックしてみた。記録されたファイルを大画面で再生して見ないと最終的に判断できないが、液晶で見る限りは概ね解消されている感じはした。

ただ、残念ながら少々改悪された部分もある。
ライブビューの拡大フォーカスが左手側の拡大縮小ボタンでしかできなくなっていた。
これはマニュアルフォーカス操作をする上で左手が行ったりきたりすることになり、大変に使い勝手が悪い。これは会場で触った他の方も結構指摘されていたようで、要望が多ければ今後のファームアップで対応検討するとの回答を得た。もう右手の親指はほとんど拡大フォーカスかRECで慣れてしまっているし、なるべく対応して欲しい。

会場では、新型レンズEF 24-70mm F2.8 L IIが付いた5D IIIが二台用意されていて、どちらもほぼ国内初披露? とあって長蛇の列。ほぼ1時間待ちでようやく触れたが、とても良いレンズだった。ズーム操作はシュッと気持ちよく動き、フォーカスもガサガサしたりツルツル滑る安っぽさは皆無。まぁ20万オーバーのフラグシップ標準ズームなので当たり前といえば当たり前だが…

キットレンズEF 24-105mm F4 ISはいい加減に後継が出てもいいんじゃないか…このボディの塗装との質感の差はいかんともしがたい。

EOS C300の時も書いたが、5D Mark IIIもまたEOS MOVIEの画質面や使い勝手などに対して出された「プロからの要求」を丁寧に吸い上げて穴を全部埋めた、実に手堅いスペックのキャメラという印象が強い。

気になる価格は、発売前予約最安でボディのみ32万円台前半…
高いという人が多いようだが、私はそこまで高くないと思う。
先月にNikonがD800を発表した印象も手伝って、地味な改良に対して割高に見えてしまったのか。
あるいは今回、Mark IIで歴史に残る名機となった5Dが3年半ぶりのアップグレードということで異常に期待値が高い人が多かったのか(私もその一人だったし)
しかしいずれにせよ、写真機としても動画機としても着実な進化を遂げたEOS 5D Mark IIIは、はっきり言って死角なし。EOSを動画メインで使ってる人は買い換え必須。静止画メインで使う人は…7Dや60Dからのアップグレードであればオススメである。




3月末発売予定だが、私自身は購入資金も足りないので当分の間は価格変動とにらめっこの予定。

2012年1月1日日曜日

新年



明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成二十四年 元旦

2011年12月31日土曜日

年末年始



年も終わりが近づいてきた。

今年は本当にいろんなことがあった。
一言では語り尽くせない。
私事ではあるが、今年頭から無職になって、結果からいえば無職のまま年を終える。
その間、いくつか仕事もやっているが、映画美学校の脚本コースに通い始め、ここ半年ほどはシナリオに取り組む日々である。まぁ頻繁に怠けてるが、元がものぐさなので割り切って切り替える他ない。

さて、あまり時間がないが今年観た今年の映画及びアニメなどまとめてみようかと思う。


まずは、今年の新作映画ベスト3

1.『ヒア アフター』
何だか毎年のベストに真っ先に挙がるクリント・イーストウッド監督作品。
それだけ毎年作り続けてることが驚異的なのだが…今年観た新作の中では抜群だった。どうしようもない来世ではなく、変えられるかもしれない現世に向き合う。希望が予感となって現れる時、前に踏み出して手を触れ合うことで人生は開けていく。心が解き放たれる爽快感…。満たされると言うより、全身に力が漲るような刺激をこの映画から受けた。
実は年頭に『インビクタス/負けざる者たち』を観て10年のベストに確実に入る出来だったので、『ヒアアフター』も期待して観に行き、本当にいい意味で裏切られた。
さも当たり前のように繰り出される演出、がことごとくキマる。職人芸の域だ。文句なし。今年のベスト1である。

2.『タンタンの冒険 / ユニコーン号の秘密』
実写映画に数えていいのか分からないが…昨日観てきたばかりで記憶に新しい。もう久々に大笑いしたので。本当にスゴい活劇を観て笑いが止まらなくなるあの感覚である。
スティーヴン・スピルバーグ監督がデジタル3Dを存分に遊び尽くした縦横無尽のカメラワークと、原作リスペクトたっぷりのドタバタ。とてもよく出来たコメディ。IMAX 3D字幕版で観たが、セリフ無しでも平気だなぁと思ってしまった。それぐらいアクションが素晴らしい。

3.『ソーシャル・ネットワーク』
キレのいい会話劇、錯綜する時間軸、『市民ケーン』を思わせる絶頂を極めた人間の孤独感。そこで敢えて主人公に寄らない描き方も◯。あの早口には『巨人と玩具』を思い出した。全篇REDで撮影されたことでも注目されたが、ボートレースのシーンなどやり過ぎ感があってちょっと…。もう少し面白くできる題材だと思うので3位。

そのほか、今年劇場で観た作品で特に印象に残ったのは
『暗殺の森』ベルナルド・ベルトルッチ監督
『ヴッパールの谷で』アモス・ギタイ監督
『フルスタリョフ、車を!』アレクセイ・ゲルマン監督
『ヤンヤン 夏の想い出』エドワード・ヤン監督
『ダスト ー塵ー 』ハルトムート・ビトムスキー監督
『白いリボン』ミヒャエル・ハネケ監督
『海盗り ー下北半島・浜関根ー 』土本典昭監督
『太陽を盗んだ男』長谷川和彦監督
『男の顔は履歴書』加藤泰監督
『不知火檢校』森一生監督
『裁かるゝジャンヌ』カール・Th.ドライヤー監督
『ニーチェの馬』タル・ベーラ監督
『幕末太陽傳』川島雄三監督
『東京暮色』小津安二郎監督
(以上観た順)

もっと、もっと見なければと思う。Blu-rayレコーダーを駆使して録りまくっているものの、順番に観る生活習慣ができていない…特に今年後半は全然映画館に行けなかったので反省。漠然と観てはいるものの自分の中で消化不良になっている作品も数多い。


次は、アニメ映画ベスト3

1.『映画 けいおん!』
ホントによく出来た青春映画で、正直かなり驚いた。私は「けいおん!」シリーズをなめていたのだ、と思い知らされる。反省したい。
あのTVシリーズが映画として成立するのか、とかそんな不安は冒頭数分でかき消えてしまった。クオリティ過剰なキャラクターの細かい芝居、それが演出の必然として組み立てられる。脚本が素晴らしい。脱帽である。

2.『劇場版 マクロスF 恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~』
これは音楽映画として素晴らしい。ぶっちゃけストーリーはかなり大味だが、それがこの映画のありように合っていて「いいんだ、細かいことは」と思える。戦闘描写も目が慣れてくると追えるようになるし。全てが綿密に計算された、三角関係と歌を味わう映画。菅野よう子ファンとしては永久保存版である。

3.『劇場版 鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』
アニメーションの真骨頂とでもいえばいいのかとにかくグリグリとうねる。二回もアニメシリーズをやった人気作だけに、ストーリー自体はその制約に縛られてどうも首を捻ってしまう展開だが、ここまで纏めて成立させているのも脚本の腕なのだろうな。

『機動戦士ガンダムUC』
今年はEpisode3と4。劇場公開されてるOVAなのでちょっと選外…だが、これを挙げない訳にはいかない磁力がこのガンダムにはある。あのギチギチに細かい線のメカがゴリゴリと動くのは画面の迫力が段違い。凄絶なクオリティのアニメだ。

そのほか旧作ではあるが、昨年逝去された今敏監督の作品を追悼上映で見直してみて、
改めてそのスケールを知ったというか…本当に惜しい人を失ったという思いを強くした。


今年のテレビアニメ・ベスト10

1.『輪るピングドラム』
とりあえずもう一回シリーズ通して見返さないと測りかねる…が、ベスト1は間違いなし。
2011年を象徴するアニメという評価がピッタリ。
2.『放浪息子』
演出が素晴らしい。脚本もよく練り込まれ、抑制が効いた作劇が原作とマッチしている。
3.『うさぎドロップ』
記号的でない子供の描き方が非常に上手い。地味だが芝居が追求されていて好感が持てる。
4.『魔法少女まどか☆マギカ』
脚本が丁寧。売れるのも納得。記号のコントロールに長け、巧妙な伏線が魅力のアニメ。
5.『Fate/Zero』
作りが豪華。お金かかってるなぁという印象。設定が膨大な割に冗長な弛みがなく濃密。
6.『Dororonえん魔くん メ~ラめら』
全然ついていけない感じがむしろ面白く、話はグダグダなのに見てて楽しいアニメだった。
7.『よんでますよ、アザゼルさん。』
15分枠とギャグのテンポが合ってて良かった。職人的なコメディアニメだと思う。
8.『花咲くいろは』
セリフがいつもちょっと多過ぎるが、時間をかけた作りこみが画面に現れている佳作。
9.『ちはやふる』
まだ半分しか見てないが…詰め込んでる感があまりなく、構成のテンポが心地いい。
10.『日常』
ちょっとギャグのテンポが合わないというか、どうも空回り感が強いので順位下げ。

『STAR DRIVER 輝きのタクト』昨年のシリーズなので選外としたが、最終話付近の盛り上がりは異常だった。2nd OPは今年のベストOPだったと思う。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』未見なのでなんとも言えないが、評判通りならランクインしそうな予感。年明けに一気見したい。

今年、アニメはBlu-ray BOXやPlayStation Store、バンダイチャンネルやテレビ再放送などまとめて一気見することが多かった。中でも『化物語』はBC→WOWOW→TokyoMXと三回も見てしまい、なんだかもう…
そんな訳で新年期待のアニメは『偽物語』で決まり。


皆様 よいお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願い申し上げます。

2011年11月5日土曜日

RED Scarlet-X


RED Digital CinemaからScarlet-Xが発表された。
CanonからCINEMA EOS SYSTEMが発表された直後で、前々から同日にぶつけてくるのは知っていたが、こうも真っ向から対抗してくるとは思わなかった。


電子接点付のEFマウントを基本構成に据え、強かにもAFまで対応するという剛毅な攻めの構え。
どうやらキヤノンのレンズ資産というアドバンテージを丸呑みにする腹のようだ。EFレンズユーザーにとっては朗報だろう。

スペックを見ると…
・スーパー35mmサイズ 1400万画素 MYSTERIUM-Xセンサー(恐らくEPICと同等)
・REDCODE RAW:5K FF(1-12 fps)/4K HD(1-30 fps)/3K HD(1-48 fps)/1080p HD(1-60 fps)
・EFマウント、AF対応。アルミ製(PLマウントオプションあり)
・1.8inch SSDモジュール(64, 128, 256GB)に記録
・HD-SDI出力:1080p 4:2:2。HDMI OUTモニター出力搭載
・音声は前面のMIC端子か?(AES-EBU Digitalオプションあり)

で、本体価格は$9,750(約76万円!)

[SCARLET-X brain、Al CANON MOUNT、DSMC SSD SIDE MODULE、DSMC SIDE HANDLE、RED PRO 5” TOUCH LCD、2x REDVOLTS、1x REDMAG 1.8" 64GB、RED STATION 1.8"、AC POWER ADAPTOR、DSMC TRAVEL CHARGER]のフルセットで$14,015(約110万円)

ちょっと安い…
EOS C300の発表を待って価格を決定したっぽいが…
4Kキャメラとしてはむろん世界最安である。もうEOS C300を買う理由が…

個人的にRED Scarletは3年前のNABからずっと待ち焦がれていたキャメラで、待てども待てども全然出ないので諦めてEOS MOVIEを手に入れたという経緯もあり、やっと漸く……感慨深いものがある。果たして告知した12月中にまともに出荷するのか、まるでアテにならないが…

CINEMA EOS SYSTEMは完全に出鼻をくじかれた感じだが、まぁキャメラとしての完成度はEOS C300の方が高いとは思う。EFレンズは来年さらに映像業界を席巻することになるかも。

「35mmサイズのCMOSセンサーによるハイビジョン動画記録」
REDが4Kで火をつけ、CanonがHDを価格破壊して、業界全体を巻き込んで発展した第一幕。
いま、Canonが重い腰を上げてデジタルシネマキャメラ分野に進出し、
それに対抗しうる価格帯にREDが4Kをぶち込んで勝負をかけてきた。
Canon vs RED、第二幕の始まりである。
そういう意味で、確かに11/3は歴史に残る日になるのかも知れない。

Canon EOS C300


CanonからCINEMA EOS SYSTEMが発表された。
「キヤノンの歴史」的には画期的なデジタルシネマキャメラ市場への参入。
その第一陣となるメインシステム EOS C300が来年1月に登場する。
(PLマウント版EOS C300 PLは来年3月発売予定)


予測はほぼ当たり、というかここ最近の噂は大方当たっていたようだ。

スペックを見ると…
・新開発のスーパー35mmサイズ 約829万画素 4K CMOSセンサー
・1920×1080 59.94i/29.97p/24p/23.98p 1280×720 59.94P
圧縮方式はMPEG-2 Long GOP でファイル形式はMXF、ビットレート50Mbps(CBR)
カラーサンプリング方式は4:2:2。
・スーパー35mm相当に対応する、EF及びPLマウントのマニュアルズームレンズ
・CFカード2スロット、連続・同時記録対応。メディア間コピー可能
・HD-SDI出力で非圧縮外部記録に対応。HDMI OUT端子搭載
・音声はステレオミニのMIC端子の他、ホットシューにXLR入力ユニットオプションあり
・TC端子・GENLOCK端子・REMOTE端子搭載。同期対応

他に特徴的な仕様としては
・新開発のCanon Logガンマ(カラーグレーディングへの対応)
・電動NDフィルター搭載(2Stops/4Stops/6Stopsの3濃度)
・無線LAN対応のWFT-E6Bで、ワイヤレスリモートコントロール可能
・約123万ドットの4.0 型液晶マルチ操作パネルをオプション装備
・防塵・防滴設計と冷却システム(←非常に重要)
といったところか。

5D MarkIIに始まる「EOS MOVIE」の画質面や使い勝手などに対して出された“プロからの要求”。それらを丁寧に吸い上げて穴を全部埋めた、実に手堅いスペックのキャメラという印象が強い。

処理エンジンがDIGIC DVIIIなのは、業務用のXFシリーズで使われている圧縮方式:MPEG-2 Long GOP  MXFに最適化されているからだろう。(EOS-1D Xで採用された圧縮方式H.264「ALL-I」はDIGIC 5に最適化されていると思われる)

新ラインとなるEFシネマレンズシステムは、前述のEF/PLマウント版のズームレンズが
CN-E14.5-60mm T2.6 L(390万円)、CN-E30-300mm T2.95-3.7 L (410万円)の2種4本。
単焦点レンズがCN-E 24mm T1.5 L、CN-E 50mm T1.3 L、CN-E 85mm T1.3 L(各59万円)の3本。
計7本のシステムが一気に発表されたが…他は既存のEFマウントレンズで十分カバーできると思うので、多分しばらくは増えないだろう。

で、肝心のEOS C300 本体価格はオープン。
予価$20,000(約150万円!)

ちょっと高い…
戦略的にSONY PMW-F3、Panasonic AG-AF105に直接対抗する機種としては、おかしくはない値段だが…完全に業務機価格なので、今まで5D MarkIIを個人で買っていた層に訴えるものはない。
だからこそ5D MarkIIIが待望され…、今までの流れからすると次期5DはEOS-1D X系統のEOS MOVIEの進化が見込まれるわけだが、果たして1D X以上のスペックや新機能を搭載してくるだろうかということ、そして動画専用機C300のために新開発されたセンサーが、「必要十分」な4K画素で出てきたことを考えると、静止画向けの高画素機とCINEMA EOS SYSTEMは同じ機体に収まらない、現段階で両立しないものと考える。EOS MOVIEはCINEMA EOSのフィードバックを受ける形でさらに次世代へ進化していくのかも知れないが…いずれにせよ、実際の画を見ないことには始まらない。

CINEMA EOS SYSTEM スペシャルサイト

Vincent Laforet氏による短編PV「Mobius」

EOS C300は再来週のInterBEEに実機が出展するようなので見に行こうと思う。

さらに、Canonは4Kデジタル一眼レフカメラの開発を発表した。
(圧縮は24p Motion-JPEGとかなり古めかしいコーデックだが…)

CINEMA EOS SYSTEM、先々が楽しみである。

2011年10月19日水曜日

EOS-1D X

昨日、CanonからEOS-1D Xが発表された。来年3月発売予定。
1Dsと1Dのラインを統合し、35mmフルサイズセンサー搭載機としては5D MarkII以来3年ぶりに出るEOSの新フラグシップ。

最高12コマ/秒の連写能力、1800万画素に抑えた感度重視の撮像素子、メインの画像処理エンジンDIGIC5+デュアルに加え、被写体解析処理用のセンサーとDIGIC4を搭載して実現した新AE方式「EOS iSA」、それに連携し顔・色認識で被写体を追従する「EOS iTR AF」、高密度61点AFセンサーなどなど…スチルカメラとしての進化はもちろんだが、動画方面の機能「EOS MOVIE」もかなり進化している。

H.264動画記録時に従来使われてきた圧縮方式の改良である「IPB」に加え、ネイティブ編集が容易なIntraフレームのみの圧縮とした高画質モード「All-I」を採用。これによる1080p撮影時の記録容量はIPB方式の約3倍となる685MB/分、ビットレートは91.3Mbpsである。この改良が画質をどれだけ引き上げられるかは実際の画を見てみないことには何とも言えないが、仕様上は大いに期待できる。(キヤノン公式のサンプルページ)

そして来る11月3日、ハリウッドで予定されている「歴史的な発表」。登場がほぼ確実視されるEOS MOVIE専用機・キヤノン初のデジタルシネキャメラの概要も、今回のEOS-1D Xの発表から大まかには見えてきそうだ。(個人的に今度登場するのは5D MarkIIIではないと予想する)

希望的観測を交えて言えば、
・スーパー35mmサイズ 16:9アスペクト比の新センサー(非飛び越し走査)
・1920×1080p 60/30/24fps 圧縮方式はH.264「All-I」色空間は4:2:2
・動画に特化し、絞りリングを備えたEFマウント互換のND付き新レンズシステム
・PLマウントアダプタオプション
・CFカード2スロット、ファイル自動分割で30分制約なしの長時間記録対応
・HD-SDI出力で非圧縮での外部記録に対応、HDMI出力で同時モニタリング
・音声記録はXLR入力の他、風音低減など業務ビデオカメラに準ずる仕様
・SMPTEタイムコード、TC入力端子搭載・外部同期対応

ビデオカメラなので当然ながらミラーレスだが、形状は…正直どうなるか全く分からない。
これが今現在、キヤノンの業務用デジタルビデオカメラのラインナップで空席となっている、かつて「XL1シリーズ」が占めていた位置に収まってくると予想している。というか、「歴史的」ならこれぐらいはやってほしいものだと思う。
この仕様で80万を切ってくれれば、同日発表で恐らくはSCARLETをぶつけてくるであろうREDはひとたまりもないと思うが……さて、再来週どうなるか楽しみである。

2011年2月13日日曜日

CP+2011

2月11日、パシフィコ横浜で開催されていたCP+2011に行ってきた。
以下、適当に記録として。

まずはキヤノンブース。
直前に発表されたEOS Kiss X5とX50を前面に、各所に新レンズが配置されていた。


正直なところ、X50は質感が安すぎる。値段を考えてもちょっと厳しいと言わざるを得ない。ニコンだったらこの値段でももう少し上手くやるだろう。キットレンズはCPに定評あるEF50mm F1.8だが…APS-Cだと換算80mmだからね、ちょっとどうなのよ?という感じ。マニュアルフォーカスは軽すぎて操作しづらいし。

開発発表されたEF200-400mm F4 L IS USMエクステンダー1.4xもケースに入っての展示。値段的に手が出せるレンズではないだろうが…「見た目」は軽そうだった。


次はリコーブース。
最注目は、今秋発売予定のMマウント採用GXR専用拡張ユニットのデザインモック。これを待望していたユーザーは多いはず…だがフルサイズに出来なかったのが弱みか。マイクロフォーサーズ流行の影で生き残れるか…


そのマイクロフォーサーズを牽引するオリンパスブースでは隠し玉のM.ZUIKO DIGITALレンズ新製品が展示されていた。


続いてはソニーブース。
NEXシリーズでソニーデジカメ新基軸となったEマウント。その基本仕様を無償開示するというニュースもあり、賛同各社の参考見本が展示されていた。中でも異様な存在感を放っていたのは、NEX-VG10とZeiss Compact Prime CP.2の組み合わせ。アンバランスにもほどがある…


昨年11月に発表され、InterBeeでもお披露目されたPMW-F3。


値段も値段だし、CP+の客層には畑違いなのか、展示一台でも余裕でいじることが出来た。しかし、フォローフォーカスなしでの展示はちょっと不親切。付属してるレンズが専用の設計なのに…ちょっと操作しづらい。接続されてるモニタもせっかくいいものだったのに。しかし性能はともかく、太っちょでカッコ悪いんだよなこのキャメラ…
InterBeeでも参考展示されていた、Eマウント・スーパー35mm CMOSセンサー搭載のNXCAM。まだまだモックアップの段階。


Aマウント・α中級モデルもスケルトン試作機が展示。


個人的に導入予定のクリップオンLCDモニターCLM-V55。


展示ではNEX-VG10に据え付けられていた。画質チェックしてみたが十分実用に耐える。コンパクトでフタ付き、ソニーMバッテリーが使える機動性が魅力。HDMIならどれでも受けるらしいので、EOSとの接続で問題なければ買おうと思う。

そしてツァイス/コシナブース。
目玉は昨年9月にツァイスから発表されて以降、コシナの方では情報が出てなかったDistagon T* 1.4/35 ZE/ZF.2。


この画角の単焦点でフィルター径72mm、重量830gのヘビーレンズ。配布されていたコシナのツァイス製品カタログによると、希望小売価格19万4000円とこれまた超ヘビーなレンズだが、性能は折り紙つき。APS-Cだとほぼ標準レンズになるが…金を貯めなきゃ買えない…
近日発売予定のツァイス純正フィルターの他、ストラップも展示されていた。


他にも、マイクロフォーサーズ規格第一弾のレンズNOKTON 25mm F0.95をはじめ、
新製品として一眼レフ用のHELIAR classic 75mm F1.8 SL II、Mマウント互換のNOKTON 35mm F1.2 Asperical VM IIを展示していた。


 


最後は富士フイルムブース

ついに国内発表となったFinePix X100の初お披露目?となるハンズオンは、係員が10分間制限で丹念に説明してくれる展示方法。
私は終盤に行ったが、行列はたえず15分待ちぐらい。人気と自信の程を伺わせる全面展開だった。





他のブースはシグマやタムロン以外ほとんど巡ってないのでゴメンなさい。
更新再開とか書いておきながら、随分久々にまともなエントリー。
これからもこんな頻度で更新していきます。